2005年3月4日(金)「しんぶん赤旗」

解説

一族支配の構造破たん

堤コクド前会長逮捕


 今回の事件の根源は、コクド前会長・堤義明容疑者の西武グループ支配の構造そのものにあります。

 元衆院議長だった父親の故・康次郎氏は所有する西武鉄道株などを堤容疑者に相続させる際、名義の偽装をしました。莫大(ばくだい)な相続税の支払いを避けるためです。堤容疑者は、この名義偽装した西武鉄道株を持つ一方、実質的に西武グループの中核であるコクドの株を保有することで、全体の支配をつづけてきました。

 その根底には、堤一族が西武グループを支配するという前近代的な企業体質があり、支配の構造自体に違法性が隠されていたのです。

 康次郎氏や堤容疑者の手法は、銀行から借金して安い時に土地を買って、それを開発。その開発のもうけで、さらに土地を買って開発する―というものでした。にもかかわらずコクドなどは、借入金などでわざと赤字にして、ほとんど法人税を支払っていない時期もありました。

 康次郎氏自身が政治家ということで、政治力も利用してより大きなもうけを上げました。その政界人脈は堤容疑者にも引き継がれています。

 今回の事件は、康次郎氏がつくりあげ、堤容疑者が受け継いだ「西武王国」の構造そのものの破たんを意味します。 (山本豊彦)


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