2005年3月3日(木)「しんぶん赤旗」

米国防長官を提訴

米人権団体被害者ら

拷問に直接・最終責任


 【ワシントン=浜谷浩司】イラクやアフガニスタンで米軍が被拘束者を拷問・虐待していた問題で、ブッシュ政権高官の責任を明らかにさせるため、米国の人権団体と被害者らが一日、ラムズフェルド国防長官を相手取ってイリノイ州の連邦地裁に提訴しました。拷問問題での責任者追及の提訴は米国内では初めてで、裁判の行方が注目されています。

 同国防長官の行動が「米国憲法や国際法に反する」との訴えを起こしたのは、拷問の実態を記録した二万三千ページもの機密公文書の公開に力を入れてきた「米市民的自由同盟(ACLU)」など二団体。

 また、原告に加わった拷問被害者八人はいずれも、テロへの関与どころか、無実だったとして後に解放されました。

 「失神するまでの殴打や刺し傷、切り傷。裸でずきんをかぶせられたうえ、棺おけに似せた箱の中に放置。死刑のまねなど死の脅迫。数日にわたる睡眠妨害」

 悪名高いアブグレイブ収容所をはじめイラク各地を転々とさせられたアルカン・モハメド・アリさん(26)は、米兵から数々の肉体的、心理的拷問を受けました。そのうえ解放時には、拷問を公表すれば「二度と家族に会えなくなる」と米軍関係者に脅されたと述べています。

 提訴にあたってグーテンタグ主任弁護士は、「ラムズフェルド長官は違法な尋問方法を自ら承認したうえ、拷問をやめさせる義務を放棄するなど、直接的、最終的責任を負っている」と批判し、責任追及が必要だと強調しています。

 一方、米国防総省は同日、国防長官が承認した方針で虐待を認めたものは「まったくない」との反論声明を発表しました。

 しかし同国防長官をはじめとするブッシュ米政権中枢が拷問・虐待の承認に深くかかわっていたことは、否定できない明らかな事実となっています。

 「私は(二〇〇二年)一月十八日、司法省が、捕虜の(人道的)扱いを定めたジュネーブ第三条約はアルカイダとの紛争には適用されないとの公式見解をまとめたことを報告した」

 これは当時のゴンザレス大統領法律顧問(現司法長官)が、ブッシュ大統領に出した〇二年一月二十五日付のメモです。

 これまでに明らかにされたブッシュ政権高官らの秘密メモなどをまとめた『拷問ペーパーズ』という本があります。同書の前書きは、アブグレイブで起きたことが「『対テロ戦争』の名でアフガニスタンやグアンタナモ(米軍基地)など各地で起きたことと結びついており、最終的にはワシントンでの高官らの決定と結びついている」と指摘しています。


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