2011年10月12日(水)「しんぶん赤旗」

来月のG20首脳会議

「欧州危機が焦点に」

世界に波及の恐れ


 【ロンドン=小玉純一】欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のバローゾ委員長とファンロンパイEU大統領(首脳会議常任議長)は10日、南仏カンヌで11月3、4両日に開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、ユーロ圏の国々の債務危機が焦点となるという見通しを示しました。EU加盟27カ国の首脳に宛てた書簡の中で述べました。


EU首脳が書簡

 書簡は、「G20首脳会議を、信用の回復、持続可能な成長と雇用創出への支援、金融安定維持のためのサミットにする必要がある」と指摘。その上で、「EUが債務危機を解決しないなら世界経済に危険が及ぶとG20のパートナー諸国は見ている。現在の困難を克服するために必要なら何でも実施する決意をEUが示す必要がある」と呼び掛けました。

 また「米国や新興国に起因するリスクも含めて、世界経済のさまざまなリスクについてバランスのとれた議論をする必要がある」とし、G20の全参加国に協力を求めました。

 一方、ファンロンパイ大統領は同日、今月17、18日に予定されていたEU定例首脳会議と同18日予定のユーロ圏首脳会議を、23日に延期すると発表しました。同大統領は「ユーロ圏の債務危機について包括的戦略を仕上げるためだ」と説明。「ギリシャ情勢への対処、銀行の資本増強、欧州金融安定基金(EFSF)の機能拡充がさらに必要だ」と述べました。

 独仏首脳は9日、ベルリンで会談し、銀行の資本増強を進めることや、G20首脳会議へ向けて、ユーロ圏の安定を目指す包括策を月末までに提示することで一致しました。

 フランスのサルコジ大統領は、会談後の会見で、「ユーロ安定へ独仏は特別の責任を負っている。欧州はカンヌのサミットまでに問題を解決しなくてはならない」と述べました。





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