2011年9月28日(水)「しんぶん赤旗」

中国とインド

初の戦略経済対話

中長期に協力関係推進


 【北京=小寺松雄】中国とインドの初の戦略経済対話が26日に北京で開かれ、双方の中長期経済計画や協力推進のほか、省エネや環境問題についても意見交換しました。中国の張平・国家発展改革委員会主任、インドのアルワリア計画委員会副委員長がそれぞれ代表団長を務めました。

 対話の発足は、中国の温家宝首相が昨年12月にインドを訪問してシン首相と会談した際に合意していました。

 対話で張氏は、両国が世界で最も大きな発展途上国であるとして「相互信頼を深め、双方の利益を拡大し、試練を乗り越える方向を探っていくべきだ」と指摘。「両国経済の健全な発展は、アジアと世界の経済の回復と発展に積極的な役割を果たす」と述べました。

 アルワリア氏は「インドと中国の経済協力は絶えず深まっている」として、「双方が市場の開放をさらに進め、投資環境を改善していく必要がある」と訴えました。

 両国間の昨年の貿易総額は約600億ドル(約4兆5700億円)。双方はこれを2015年までに1000億ドルに引き上げる計画です。ただ現段階でインドは対中輸入が輸出の2倍と大幅な貿易赤字になっており、先進技術や農産品の中国への輸出拡大を目指しています。

 インド代表団はこの後、温首相とも会談。首相は「両国は相互尊重、善隣友好の精神に沿って、共同発展の道を断固として歩んでいこう」と呼び掛けました。

 両国は国境未画定という課題を残しているほか、最近はインドの南シナ海石油開発問題が一つの焦点になっています。

 今月16日にインド国営企業がベトナムと共同での南シナ海石油開発で合意。これに対し、中国外務省は19日、「いかなる国や企業も中国の管轄地域で、中国の許可なくガス田開発をしてはならない」と不満を表明していました。

 中国外務省は今回の対話では非公開部分があると認めており、ここでインドの南シナ海油田開発の問題なども話し合われた可能性があります。





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