2011年9月8日(木)「しんぶん赤旗」

在日米軍犯罪・事故 21万件 1952〜2010年度

日本人1088人 犠牲に

赤嶺氏に資料 軍事が人権押しつぶす


 在日米軍の兵士や軍属らが引き起こした事件・事故が、1952年度から2010年度までに21万件近くにもおよび、日本人の死者は1088人にのぼっていることが7日までに明らかになりました。昨年も死亡事故を含め573件発生しています。現行の日米安保条約の原型である旧安保条約の調印(1951年)から8日で60年を迎えますが、現在でも米軍による犯罪・事故が後をたちません。


旧安保条約調印60年

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の要求に、防衛省が資料を提出したもの。旧安保条約が発効した52年度からの事件・事故の総数は20万8029件となっています。うち米軍関係者が公務中に起こしたのは4万8504、公務外が15万9525です。これによる日本人の死者は、公務中の場合が520人、公務外が568人です。米軍の施政権下に置かれていた本土復帰前の沖縄は含まれておらず、実際はこれを大きく上回ります。

 72年の返還後も沖縄県が圧倒的に多く、全国で発生した7万7866件中、4万5810件が同県内で起きています。

 赤嶺氏は、「沖縄では本土復帰後も、米兵による殺人や暴行、放火などの凶悪犯罪、米軍機の墜落と爆音被害、演習がもたらす原野火災などが繰り返されてきた。軍事が県民の人権を押しつぶす構造は何も変わっていない」と指摘します。

 一方、警察庁がまとめた米軍人による刑法犯検挙数は、89年から昨年までで2240件。うち沖縄県が1035、横須賀基地や厚木基地のある神奈川県が444、佐世保基地のある長崎県が283、岩国基地のある山口県が212。

 旧安保条約では、米軍関係者が起こした事件・事故をめぐり圧倒的に米側に有利な仕組みがつくられました。60年に改定された現行安保条約にもそのまま引き継がれています。

 安保条約に基づく日米地位協定は、米軍人・軍属が事故や事件を起こした場合でも公務中なら米側が第一次裁判権をもつことを定めています。今年も沖縄市で交通死亡事故を起こした米軍属が不起訴処分になり、米側による免許停止5年の処分で済まされました。

 また53年の日米合同委員会合意は、米側の裁判権行使結果の通報について「裁判結果」のみを対象にしているため、懲戒処分などは日本側に知らされない仕組みになっています。08年に沖縄県うるま市で発生した交通死亡事故では、遺族が知らないところで、事故を起こした米兵が無罪放免になり、県民の怒りをよんでいます。


安保60年 米軍の事件・事故

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