2011年8月1日(月)「しんぶん赤旗」

NHK日曜討論 笠井政策委員長代理の発言


 日本共産党の笠井亮政策委員長代理が31日のNHK番組「日曜討論」で行った発言は次の通りです。


被災者が希望をもてない政府の「復興基本方針」

 冒頭、菅直人首相が29日に発表した復興基本方針について討論。各党出席者は、口々に政府の復旧・復興対策について「すべてが遅すぎる」と批判。民主党の玄葉光一郎政調会長(国家戦略担当相)は、「被害が広範で事情がいろいろある」と弁明しました。

 笠井 復旧・復興という点で遅々たるものです。住宅再建では支援金が全壊で最高300万円だが足りない。引き上げが必要で、半壊だとか店舗などにも対象を広げるべきです。被災者の二重ローン解消の問題では、国が責任をもって商工業、農業、漁業、すべての事業者がせめてゼロからスタートできる支援の仕組みが必要です。

 復興基本方針は、被災者の生活と生業(なりわい)にとって、希望がもてるものになっていません。復興は、一人ひとりの被災者の生活再建を支援し再出発できるようにする、復興の計画作りは地元合意で実行は市町村と県・国が一緒になり財源の大半は国がやる。この二つの原則が必要で、「上からの押し付け」はだめです。

被災者への増税消費税増税――あってはならぬ

 5年間で19兆円という復興予算の財源について、玄葉氏は、予算額は、これよりふくらむとの見通しを示し、「薄く広く、バランスをとって結論を出していくことが必要」と、増税の必要性を説きました。みんなの党やたちあがれ日本は、議員定数削減や公務員の給与削減、国の出先機関の廃止を求めました。

 笠井 まず、庶民増税先にありきではだめです。原発推進に使ってきた4000億円や政党助成金320億円、法人税、証券優遇税制など2兆円規模で、手をつけていないのがいっぱいあります。大企業の内部留保などを活用し、民間資金をよびこむ方法、国債で行うという提案を(共産党は)言ってきた。そういうことをきちっとやって、それでもどうしてもというのなら、もうかっている大企業や大資産家などお金のあるところからきちっと取るべきです。被災者から増税なんてありえないし、ましてや消費税増税などあってはなりません。

子育て支援や教育を政局がらみにするな

 民主、自民、公明3党が見直しにむけ協議中の子ども手当について議論になりました。

 笠井 3党間で協議がされているが、子育て支援や教育の課題を政局とからめ、うんぬんするのはけしからんと言いたい。子育て支援では現金給付も必要です。同時に、保育園の建設など総合的な子育て支援策をしっかり議論することが必要です。年収500万円から800万円で小学生以下の子がいる世帯は、差し引き負担増になると政府も答弁しています。年少扶養控除の見直しなどで、すべての子育て世帯が負担増にならないようにしなければいけない。

原発をなくすと言わない首相のエネルギー政策

 菅首相が打ち出した「原発依存度を下げる」とするエネルギー政策について討論。玄葉氏は「依存度を下げるプロセスをリアルに考えなければいけない。すべての原発が点検で止まる仮定で再稼働しなくても大丈夫なように需要の構造改革を先行させる」とする一方、地元の納得を得て再稼働できるよう「しっかりやっていかなければならない」と述べました。

 笠井 菅首相は、長期的に依存度を下げてやっていくというわけで、結局、原発をなくすとは言いません。福島から出ている玄葉さんがまとめられたというが、これでいいのかという思いがします。先週、福島の県議会議長とお会いして、「福島のような原発事故を二度と起こしてほしくない。そういうことを国が発信してほしい。原子力に依存しない社会をめざすことは県民の総意だ」と言われた。政治の決断として原発から撤退する。それを国民が真剣に議論をやる。政治の決断が必要だといいたい。

「やらせ」問題――国会で徹底的な解明を

 共産党以外の各党は、「企業が海外にでてしまう」「日本経済がもたない」などと電力供給を人質にした原発継続の意見を表明しました。

 笠井 われわれが九州電力の「やらせメール」の問題を明らかにしたら、原子力安全・保安院による「やらせ説明会」がでてきました。国と電力会社が一緒になって少数を多数にみせかけ世論操作をしてきたのではないかという問題になってきました。「安全神話」はこうやってつくられてきたという思いがします。いくら安全対策をいっても、誰が信用するかという問題になっています。再稼働など論外です。今後のエネルギー政策というなら、まず正直にうそをつかない政治が必要です。国会に関係者を呼んで徹底的に解明することを提案したい。

 電力不足の話ですが、関西電力が大変と言えば東京電力が融通するというし、正直に言っているのかという問題もある。節電や自家発電も大いにやっていく。電気がないと企業が逃げていくと言いますが、がんばろう日本といっているわけです。逃げていく企業があるなんて信じられませんね。

 各党から、保安院の独立、原発説明会の透明化を求める声が相次ぎ、玄葉氏は、「保安院と経産省の分離はできるだけ早くやる。“やらせ”説明会の話があったが、参加者も無作為に抽出し、国民各層との議論をする。オープンな議論はとても大事だ」と述べました。





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