2011年6月11日(土)「しんぶん赤旗」
社会保険・厚生年金病院
公的存続へ 運営組織法案を可決
衆院本会議
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全国の社会保険病院(51カ所)や厚生年金病院(10カ所)を公的病院として存続させるため、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)を、病院を運営する組織に変更する法案が10日、衆院本会議で、賛成多数で可決されました。みんなの党は、民間譲渡を求める立場から反対しました。
法案は、病院を整理・売却するRFOを「地域医療機能推進機構」と改組し、地域医療や災害医療、へき地医療などの機能を規定します。東京北社会保険病院などすでに委託している病院は施行後も委託できるとしています。一方で、地域が必要とする医療機能が確保されれば病院を譲渡できることや、法施行は3年以内とし、それまではRFOを存続させるとしており、公的病院を守る運動が引き続き重要になっています。
採決に先立つ衆院厚生労働委員会での質疑で日本共産党の高橋ちづ子議員は、公的病院として存続を求める国民の声に応えて、地域医療を守る役割を発揮させていくことを求めました。
東日本大震災で福島県二本松市の社会保険病院は多くの被災者を受け入れ、現在役場機能を二本松市に移している浪江町民をはじめ原発被災者にも対応していることを紹介。被災した仙台市社会保険病院や東北厚生年金病院には、他の病院から医師を派遣して機能回復させたことをあげ、全国的なネットワークの重要性を指摘しました。細川律夫厚生労働相は、「住民の役に立った。全国的ネットワークがいかされた」と評価しました。
高橋氏はさらに、病院の耐震化や譲渡のさいに地域医療を守る歯止めの措置を要求。
岡本充功厚労政務官は、「耐震性の整備は、緊急性の高いものから認めたい。譲渡する場合は、条件はその契約で、必要な医療機能が維持されるようにしていく」と答えました。
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