2011年6月1日(水)「しんぶん赤旗」
ストロンチウム90依然「通常の100倍」
福島第1
東京電力は31日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)敷地内3カ所で9日に採取した土壌から放射性のストロンチウム89と同90が、4月18日にほぼ同じ場所で採取した土壌から検出されたのに続いて、検出されたことを明らかにしました。ストロンチウム90の濃度が通常検出される値の約100倍に相当していることから、今回の事故で放出されたものだとしています。
土壌を採取した場所は、1号機から西北西へ約500メートル離れた「グラウンド」と、西へ約500メートル離れた「野鳥の森」、南南西へ約500メートル離れた「産廃処分場近傍」の3カ所です。ストロンチウム89が乾燥土壌1キロあたり1700〜2800ベクレル、同90が同じく300〜480ベクレルで、前回とほぼ同じレベルでした。
ストロンチウム89と同90は、カルシウムと似た性質をもち、摂取すると骨などに蓄積して、放射線を出すため、骨がんなどの原因になります。ストロンチウム90は半減期(放射能の量が半分に減るのに要する期間)が約29年と長いため、約50日のストロンチウム89よりも影響が大きいとされています。過去の大気圏核実験の影響で、国内でも半減期の長いストロンチウム90が乾燥土壌1キロあたり最大4・3ベクレル検出されています。
■関連キーワード