2011年5月30日(月)「しんぶん赤旗」

セラヤ元大統領帰国を歓迎

ホンジュラス 「民主主義に希望」


 【メキシコ市=菅原啓】2009年6月末のクーデターで政権を追われたホンジュラスのセラヤ元大統領が28日、亡命先のドミニカ共和国から帰国しました。

 今回の帰国は、ベネズエラ、コロンビア両国の仲介で、セラヤ氏とロボ現大統領が22日に調印した「和解協定」に基づくもの。中南米諸国は、クーデターをきっかけとした政治的混乱も外交努力で解決できることを改めて示しました。

 セラヤ氏は、ロダス元外相ら多数の側近らとともに、ベネズエラ政府の提供した特別機で首都テグシガルパの国際空港に到着。同氏には、ベネズエラのマドゥロ外相、パナマのトリホス前大統領ら中南米各国の要人が同行しました。

 空港近くの広場には、クーデターに反対してきた政治勢力を中心に数千人が詰め掛け、歓迎集会が開かれました。

 セラヤ氏はあいさつの中で、仲介にあたった中南米諸国の政府や国内の支持者に感謝を表明。今回の帰国を「中南米の民主主義国にとって希望と楽観主義のメッセージ」であり、「民主主義を強化し、クーデターを二度と起こさないために役立つもの」と強調しました。

 セラヤ氏は、クーデターに反対する運動の中で結成された政治組織「全国国民抵抗戦線(FNRP)」の代表も務めており、ホンジュラスが抱える貧困や汚職の問題を「暴力ではなく、民主主義の強化によって」解決していくため、政治活動に全力を挙げる決意を表明しました。

 セラヤ氏はその後、大統領府に向かい、ロボ大統領、インスルサ米州機構(OAS)事務局長、コロンビアのオルギン外相らの歓迎を受けました。

 OASは6月1日に開く臨時総会で、クーデター後に資格停止処分を受けているホンジュラスの復帰問題について話し合う予定です。





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