2011年5月29日(日)「しんぶん赤旗」
海底土からセシウム数百倍
福島県沖
福島県沖約30キロメートルの海底の土から、通常の数百倍に当たる濃度の放射性物質を検出したと文部科学省が27日に発表しました。「海産物に影響する可能性がある」としており、東京電力福島第1原発から海へ流出した放射能汚染水の影響が広がっていることを示しています。
同省は9日から14日にかけて、宮城県気仙沼市沖から千葉県銚子市沖まで南北約300キロメートルにわたる沖合約15〜30キロメートルの12地点(深さ29〜200メートル)で海底の土を採取し、分析しました。
放射性物質は全地点で検出されました。濃度が最も高かったのは、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の東約30キロメートルの水深126メートルの海底で、土1キログラム当たりのセシウム134(半減期2年)は260ベクレル、セシウム137(同30年)が320ベクレルでした。半減期が8日間と短いヨウ素131も2・7ベクレル検出されました。
同省が2009年にほぼ同じ地点で調査した結果では、セシウム134、ヨウ素131は検出されず、セシウム137は1ベクレル前後でした。
ほかの調査地点では、セシウム137は第1原発の北北西約70キロメートルの宮城県沖で110ベクレル、同北西約130キロメートルの宮城県沖で7ベクレル、同南約180キロメートルの千葉県銚子沖で1・9ベクレルでした。9地点で検出されたヨウ素131の濃度は1・6〜6・1ベクレルの範囲でした。