2011年5月26日(木)「しんぶん赤旗」

病欠解雇は理不尽

客室乗務員原告団が口頭弁論

日航不当解雇


 日本航空に不当解雇撤回と原職復帰を求める裁判は25日、客室乗務員原告団の第3回口頭弁論が東京地裁(白石哲裁判長)で行われました。

 過去の病欠日数を基準に解雇された神瀬(こうのせ)麻里子さん(53歳、解雇当時52歳)が意見陳述し、過酷な労働環境で空の安全を守ってきた労働者を切り捨てる理不尽な解雇だと訴えました。

 神瀬さんは、十分な休暇を取れない勤務の疲労で、医者の診断で2008年4月から2カ月療養。さらに、乗客の手荷物を客室天井の収納庫に押し入れる作業によって、頸肩腕(けいけんわん)障害となり08年9月から3カ月休養しました。

 通常乗務に復帰していたにもかかわらず、過去2年5カ月の間に81日以上休んだとして解雇対象となりました。

 神瀬さんは「上司にも『具合が悪いときは、自分で申し出て早めに休みなさい』と言われてきました。私たちの休業は、過酷な労働環境のなかで仕事をしてきたことによるものです。一方的に切り捨てるやり方は、あまりにも理不尽です」と強調しました。

 会社側は準備書面で、稲盛和夫会長が「160人を残すことが経営上不可能ではない」と解雇に必要性がないことを告白した発言について、「(労働者側が)発言を部分的に引用し、自己に都合のよいように解釈したものに過ぎ(ない)」などと言い訳しました。

 白石裁判長から、発言自体は実際に稲盛会長が述べたものか確認され、会社側代理人は発言が事実だと認めました。





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