2011年5月24日(火)「しんぶん赤旗」
イスラエルの安全を保障
米大統領 政策演説について強調
【ワシントン=西村央】オバマ米大統領は22日、ワシントン市内で開かれた米国イスラエル広報委員会(AIPAC)の会合で演説し、パレスチナとの国境画定に向け、1967年の第3次中東戦争の境界線を基本に、相互の合意に基づく土地交換をすべきだとした19日の政策演説にふれ、和平交渉の早期実施を訴えました。
AIPACは米最大の親イスラエル・ロビー団体。オバマ氏は会合で「米国は揺るぐことなくイスラエルの安全保障を支えてきた。米国がイスラエルとパレスチナとの和平を前進させるため努力してきたのは、米国がイスラエルの長期的安全保障を確約しているからにほかならない」と強調しました。
さらに19日の提案について、「特別に新しいものではなく、この基本的な枠組みは両者の交渉のなかで、長期にわたって議論されてきたことだ」と表明。最終的な目標はイスラエル、パレスチナの二つの国家が共存し、それぞれの自決権と相互信頼と和平を受け入れることだと述べました。
さらに「世界は急速に動いている。イスラエルが直面している特別な課題は大きなものがあり、(和平交渉の)遅れはイスラエル国民が望む安全保障や和平を損なうことになる」と指摘。9月の国連総会で、パレスチナが国家樹立の承認を目指していることを念頭に、イスラエルが占領地支配を継続すれば、国際社会で孤立する可能性があると示唆しました。