2011年5月24日(火)「しんぶん赤旗」

IMF専務理事後任人事

「欧米主導」見直せ

新興国“裏取引”認めない


 ストロスカーン氏辞任に伴う国際通貨基金(IMF)専務理事の後任人事をめぐり、欧州諸国はフランスのラガルド財務相支持でまとまる動きを見せています。一方、著しい経済成長で国際社会における発言力を強めている新興国は、国際金融機関を欧米諸国が主導する体制を見直し、実績に基づいて後任を選出し、公開された場で決定することを求めています。(島田峰隆)


 世界銀行とIMFはそれぞれ1945年、46年に設立され、世銀総裁は米国出身者、IMF専務理事は欧州出身者が務めることが暗黙の了解とされてきました。IMF専務理事は非公開の理事会で選出され、出資比率が大きい欧米が強い決定権を持ちます。

 G20(主要20カ国・地域)・IMF改革作業部会の共同議長国である南アフリカのゴーダン財務相とオーストラリアのスワン財務相は22日、共同声明を発表。IMFの信頼や合法性を維持するために、「最も有能な人物が専務理事に任命されることにつながる、開かれた透明な選出過程がなければならない」と強調しました。

 中国政府は先に、専務理事を実績に基づいて、透明な過程を通じて選出するよう要求。ブラジル、南アフリカ、メキシコが賛成を表明しています。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)のスリン事務局長は20日、ロイター通信に対し、「(選出過程の)すべてを公開することが今の時代に大変適している」と発言。「G20(の発足)自体、国際社会の運命を決める場に(欧米以外の)他の世界が参加するべきだということを認めたものだ。専務理事に北側の国(先進工業国)以外の出身者が就くことは大変素晴らしい」と述べました。

 新興国側は、次期IMF専務理事に共通の候補者を擁立しているわけではないものの、“裏取引”で専務理事を決めるようなことは認めないという立場では一致しているとロイター通信は伝えています。





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