2011年4月30日(土)「しんぶん赤旗」

大震災第1次補正予算案審議

被災者の叫びに応えよ

高橋議員が力こめ訴え


 「故郷に戻りたいとの被災者の思い、故郷の再生にこたえるしっかりとした支援を」―日本共産党の高橋ちづ子議員は29日、東日本大震災の復旧策を盛り込んだ第1次補正予算案を審議した衆院予算委員会で、被災者の叫びに応えた対策を求めました。


災害弔慰金

写真

(写真)菅直人首相らに質問する高橋ちづ子議員(左端、後ろ向き)=29日、衆院予算委

 「津波でぬれたまま、寒い岩山や屋上で救助を待っていた被災者が持病を悪化させて死亡したことを『病死』というのか」。高橋氏は、家族の側に立ち積極的に災害関連死と認定して災害弔慰金を支払うよう求めました。

 細川律夫厚生労働相は、「認定は市町村の判断だが、国としてできるだけの、亡くなられた遺族に弔慰金が渡るように指導する」と述べました。

自宅避難者

 高橋氏は、避難所が満杯で、ライフラインが復旧しない自宅に帰らざるをえなかった被災者が多くいると指摘しました。

 宮城県石巻市で訪問調査を行った医療スタッフの報告では、被害のひどい地区でも1409世帯が自宅に居住しているとの調査もあると紹介。余震で崩れる恐れのある家で暮らしたり、賞味期限の切れた菓子パンを避難所からもらって食べているなどが報告されていると述べ、「自宅にいる避難者も含めて、災害救助法による援助の対象になるはずだ」と強調しました。

 細川厚労相は、「当然災害救助法の対象になる。十分支援が行き届くようにしっかりやっていきたい」と答えました。

自治体支援

 高橋氏は、被災者支援のためには被災自治体の体制を厚くすることが必要だと指摘。被災自治体の派遣要請673人に対し、600団体2562人から申し出があることを示し、人的支援が円滑にすすむよう後押しを求めました。

 片山善博総務相は、「マッチングが終わり連休明けから五百数十人が派遣される」としながら、「柔軟に対応し、要請に応えるようにしたい」と述べました。

原発被害

 原発事故について高橋氏は、2007年に福島第1原発を視察した際、「よほど大きな地震に備えている」と東電が開き直っていたことを紹介しながら、「コスト最優先で安全が後回しにされてきた。今回の事故も根っこは同じだ」と批判しました。

 「原発によって人生を大きく変えられた皆さんに心から謝罪を。補償に対して全面的にこたえていくと言っていただきたい」

 高橋氏がこう求めたのに対し、東京電力の清水正孝社長は、「深くおわびしたい。さまざま手紙など申し入れをうけているが、原子力賠償法に基づく紛争審査会の指針に沿って、公正、迅速に対応したい」と答えました。

 高橋氏は、紛争審査会の指針は、避難指示が出された原発から30キロ圏内と計画的避難区域を目安にしており、補償される地域とそうでない地域に分断されてしまうと指摘。住民が全国バラバラに避難している福島県南相馬市の避難住民の声を紹介し、「必死で避難し、この先どうしていいのか答えを探している人に線引きするのか。政府が直接・間接の被害双方にしっかりと応えるべきだ」と主張しました。

 菅首相は、「風評被害を含め、最終的に政府に責任があるとの観点で対応する」と答えました。





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