2011年4月17日(日)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 生まれは1896年といいますから、日本で明治三陸大津波が起こった年です。114歳。男性で世界最高齢だったアメリカ人、ウォルター・ブルーニングさんが亡くなりました▼三つの世紀にまたがって生きたブルーニングさん。世界大戦の戦場に行かなかったことも、幸いしたかもしれません。第1次大戦のとき兵士に登録したものの、招集されずじまい。第2次大戦が始まるころ、すでに兵役につく年齢ではありませんでした▼50年以上前に妻を亡くし、子どももいない独り身。晩年の三十数年を老人ホームで暮らしましたが、心身ともに「かくしゃく」を絵にかいたような元気さだった、といいます。食事の節制を心がけました▼男性の長寿世界一を継いだ人が、京都の京丹後市に住む木村次郎右衛門さん。あさって19日で114歳。かつて郵便局で働き、戦中は戦費をまかなうための貯金集めに駆け回りました。一昨年、本紙日曜版の取材にこう話しています▼「貯金をしてもらうために東奔西走した体験者といたしましては、あんな悲惨なことはございません。今、思い出してもぞっとします。…二度と戦争はしてはなりません」。新聞2紙を読む日課がいちばんの楽しみ、といいます。社会の進歩に遅れないように、と。30年以上前から本紙の読者です▼木村さんのいっそうの長生きを、願ってやみません。と同時に、やはり東日本大震災の犠牲者を思わずにはいられません。木村さんが心に念じている言葉を一つ。「嵐の後に日和あり」





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