2011年3月19日(土)「しんぶん赤旗」

希望へ巣立ち 避難所の小学校

岩手・宮古


写真

(写真)避難者らのアーチ、拍手で送り出される卒業生=18日、岩手県宮古市愛宕

  「二つのことを伝えていってください。津波の恐ろしさ、人と人が支え合うことの素晴らしさです」―。

 津波で大きな被害を受けた岩手県宮古市で18日、避難所の一つとなっている愛宕(あたご)小学校(児童数45人)で卒業式が行われました。古玉忠昭校長が、涙で言葉をつまらせながら卒業生13人に式辞を述べました。

 被災地では卒業式の延期や中止が相次いでいますが、同校では保護者、同校へ避難してきた人たちとの話し合いのうえ、「子どもたちに希望を持って未来に向かってすすんでほしい。避難所にも明るい話題を」(古玉校長)と実施を決めました。

 会場は校舎2階奥の教室。普段着にスリッパの卒業生、正装できない保護者も見られました。

 卒業生の一人は「(卒業生)みんなが無事でよかった。これから地域の人たちのためになることを進んでやりたい」と少し照れた表情で話しました。父親(36)は「強く生きてほしい」と目を細めました。

 13人は同校の教職員や避難してきた人たちでつくったアーチをくぐって、巣立っていきました。

 避難所の代表の鶴田幸雄さん(70)は「児童の晴れ晴れとした姿を見て感激した」と話していました。(洞口昇幸)





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