2011年3月12日(土)「しんぶん赤旗」
カダフィ派の退陣提案
EU大統領に英仏首脳書簡
【ロンドン=小玉純一】リビア問題を協議する11日の欧州連合(EU)臨時首脳会議を前に、英国のキャメロン首相とフランスのサルコジ大統領が10日、ファンロンパイEU大統領(EU首脳会議常任議長)に書簡を送りました。このなかで、「カダフィ体制は正統性を失った」として、「リビアの人々の苦難を止めるためカダフィ派の退陣」を含め7点を欧州諸国などに提案しました。
書簡は、反カダフィ派の「国民評議会の形成を歓迎」し、「国民評議会を妥当な政治的対話者、能力のある対抗勢力、国民の有力な代弁者と見なす政治的シグナルを送る必要がある」と主張しています。
サルコジ大統領は10日、パリを訪れた「国民評議会」のジェブリル危機管理委員長とエサウィ外交担当と会談し、世界で初めて同評議会をリビアの合法政府と認めました。
ドイツのウェスターウェレ外相は会見で、フランスの立場は「思いつき」で「ドイツの立場でも欧州の立場でもない」と不快感を表明。イタリアのフラティニ外相は、反カダフィ派の拠点ベンガジに調査団を派遣してから決めるべきだと述べました。