2011年3月6日(日)「しんぶん赤旗」

平均成長率7%目標に

5カ年計画 中国全人代始まる


 【北京=小寺松雄】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の第11期第4回会議が5日、北京の人民大会堂で始まりました。温家宝首相は約3000人の代議員に対して行った報告で、今年から始まる第12次5カ年計画を説明。過去5年の総括を踏まえ、今後5年間の平均成長率目標を過去5年より0・5ポイント低い7%とすると提起しました。

 温首相は昨年までの第11次5カ年計画について、「100年に1度という国際金融危機に沈着に対処」し、経済の安定した発展を保ったとして、「勝利のうちに達成した」と評価しました。

 同時に所得格差が拡大し、「農業の基盤がもろく、都市との不均衡がある」と分析。「一部の民衆が強く不満を抱く問題」として、医療・教育の不十分さ、物価や住宅の高騰、「違法な土地収用や家屋取り壊し、立ち退き」を挙げました。

 次期5カ年については、「小康(まずまずの生活ができる)社会の全面建設のうえで最も重要だ」として、7%成長の確保で5年後には経済規模を1・4倍にすると展望しています。

 経済構造では、サービス業の付加価値が国内総生産(GDP)に占める割合を4ポイント引き上げると提起。教育研究分野を重視し、研究開発支出がGDPに占める割合を2・2%に高めると提案しています。

 資源・環境分野で、具体的数値目標を初めて提示。この5年間で単位GDP当たりのエネルギー消費量を16%、二酸化炭素排出量を17%減らすと掲げました。

 さらに「政府の改革」の項を設け、「権力が極度に集中されていながら制約されていない状況を制度面から是正する」と提起しました。





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