2011年2月24日(木)「しんぶん赤旗」

NZ地震 複雑なプレート運動が背景


 大地震が襲ったニュージーランドは、年間100〜200回の有感地震が発生する世界有数の地震国です。1990年初めから2000年末にかけて世界各地の深さ50キロより浅いところで起こったマグニチュード(M)4・0以上の地震の分布を見ると、日本やインドネシアなどと並んで多く発生していることがわかります。(図1=気象庁の資料から)

 これは、ニュージーランドが太平洋プレートとオーストラリアプレートという二つの巨大な岩板がぶつかり合う場所に位置していることと関係があります。北島と南島の北部が乗るオーストラリアプレートの下に太平洋プレートが沈み込む一方、南島の南部が乗る太平洋プレートの下にオーストラリアプレートが沈み込んでいます。(図2)

 両者の中間にあたる南島の中央部には東西方向に横ずれ断層が発達しています。このため、プレートの沈み込みに伴って発生するプレート境界型の巨大地震だけでなく、内陸の活断層による地震も頻発しています。

 南島の中央部にあるクライストチャーチの近郊では、昨年9月、この横ずれ断層が動いたことでM7・0の地震が起こりました。東京大学地震研究所などの解析によると、今回の地震は昨年の地震の真東にあたるクライストチャーチの直下で起こりました。

 名古屋大学地震火山・防災研究センターの山中佳子准教授の解析では、震源の深さは3キロ。山中准教授は、震源が都市の近くでかなり浅かったことで被害が大きくなってしまったとの見方を示しています。

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