2011年2月19日(土)「しんぶん赤旗」

議員の国会図書館利用状況

外務省がスパイ行為


 外務省が国会図書館への出向職員を通じて国会議員らの図書利用状況を把握し、報告していたことが、外務省が18日に公開した文書などから明らかになりました。行政府が立法府の一部である国会図書館に職員を送り込み、スパイ行為をさせていたもので、三権分立にかかわる重大問題です。

 国会図書館は同日、「大変申し訳ない」とする謝罪文を提出するとともに、「秘密を守るという前提で国会議員の調査に対応している。あってはならないことだ」として外務省への抗議と事実関係の調査を行う意向を示しました。

 文書は1998年1月7日に外務省総務課が作成したもので、「国会議員等からのレファレンス状況報告について」となっています。「現在国立国会図書館に出向中の松井大使より、議員からのレファレンス状況についての報告を受けているところ、議員の関心事項を知る上で有益と考えられます」として、「竹島領有権問題に関する著書」「日米間の安保問題の課題についての分かりやすい資料」など、資料の参照状況を報告していました。

 さらに、文書の片隅に「『97・10・7の公聴会 オルブライト証言』の内容、乞御教示(〓合成〓○共が探索してます)」との書き込みがあり、日本共産党の動向を特別に注視していた形跡がありました。

 18日に公開された文書では個人名は黒塗りになっていますが、国会図書館によれば、日本共産党5人、自民党3人の議員が含まれています。このうち、名前が判明しているのは日本共産党の緒方靖夫副委員長(前参院議員)と自民党の石破茂政調会長です。緒方氏は「国政調査権に基づく国会議員の調査に関して、行政府である外務省が、立法府である国会図書館から得るというのは許しがたいスパイ行為だ」と批判しています。





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