2011年2月9日(水)「しんぶん赤旗」

待機児

受入れ増の3分の2は“詰め込み”

高橋氏 認可保育所増設で解決を


 「子どもを預けられる保育所が見つからない」―。日本共産党の高橋ちづ子議員は8日の衆院予算委員会で、深刻な保育所の待機児問題を取り上げ、保育の公的責任を果たすよう政府に迫りました。

切実な声

 現在、認可保育所に入れない待機児は過去最悪の2万6000人超。潜在的な入所希望者を含めると100万人ともいわれています。

 保育団体、女性団体の調査には、「3年間待機したが入れなかった」「預けられないと働けないという事情をまったく聞いてもらえなかった」「母子家庭なら保育所に入りやすいかといったん離婚した友人がいる」など切実な声が寄せられています。

 高橋氏は、このような現場の声を生々しく紹介。政府の認識をただしました。

 高橋 このような声をどう受け止めますか。待機児童問題を真っ先に解決すべきではないか。

 菅直人首相 基本的には問題意識を同一にしている。

 高橋氏の追及に、首相も「最終的には、すべての希望する方の子どもを預かれるようにしていく」と答えざるをえませんでした。

定員超6割

 高橋氏は「問題は、これまでやってきたことが本当に(保護者の)需要に見合ったことなのかということだ」とさらに追及。政府が保育所の定員の「弾力化」と称して、定員枠を超えた児童の受け入れで待機児解消を図ろうとしてきた事実を具体的に告発しました。

 高橋 2001年以降の10年間で保育所を利用する子どもが約25万人増えているが、そのうち保育所の定員枠を超えて受け入れているのはどれくらいか。

 細川律夫厚労相 保育所定員の弾力化を実施している保育所は平成17年度の調査で保育所全体の59・2%。定員を超えた保育所の受け入れ児童数は約16万人だ。

 定員を大幅に超えた受け入れで待機児解消をはかってきたことを認めた政府に対し、高橋氏は「これでは抜本的対策にはならない」と厳しく批判。諸外国と比べても日本の保育所の面積や職員配置の最低基準が極端に低いこと(イラスト)を示しました。

 また、この間、公立保育園の廃止・民営化の流れが進み、民間が2677カ所増えたといっても、その分、公立が1823カ所も減っている実態(グラフ)を示し、「今、必要なのは保育の公的責任の拡充だ」と迫りました。

 これには、細川厚労相も「ご指摘の点も踏まえて、保育所を増やしていくことにしっかり取り組んでいく」と答弁。高橋氏は日本共産党が国の責任で年間10万人が入れる認可保育所をつくるよう提案していることを紹介し、「東京都23区だけで東京ドーム約130個分の国有地があるのだから、この土地を(保育所建設に)活用するなど便宜をはかるべきだ」と提案しました。

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