2011年2月2日(水)「しんぶん赤旗」

エジプト首都 数十万人

各地でデモ 政権退陣求める


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 【カイロ=伴安弘】ムバラク政権の退陣を求めるデモが1日、エジプト全国で行われました。首都カイロでは数十万人、北部のアレクサンドリアでは7万5000人が参加。スエズ、マンスーラ、イスマイリア、ドミアートなどでも大きなデモが行われました。民間の50団体が「流血を避けるためにムバラク大統領は辞任すべきだ」との声明を出しました。同大統領は進退を含む決断を迫られています。

 カイロ中心部のタハリール広場では、「ムバラクは辞めよ」などのスローガンを書いたポスターとともに「改革には賛成だが、財産の破壊には反対だ」というポスターも。参加者からは「教育、医療を含め国民の基本的な要求が満たされていないことへの反抗だ」、「ムバラク氏はいいこともしたが30年は長すぎる」などの声が聞かれました。

 エジプト軍は1月31日夕の声明で、「平和的な手段による表現の自由はすべての人々の権利だ。武力を行使することはない」と言明しました。

 一方、ムバラク大統領は同日、新内閣を任命。警察を監督するアドリ内相を更迭、内相にマハムード・ワグディ氏を任命しました。不正・腐敗が非難されてきたガリ財務相も更迭。アブルゲイト外相とタンタウィ国防相は留任させました。

 スレイマン副大統領は同日の国営テレビでの演説で、改革について、野党勢力と対話を始めるよう大統領から指示を受けたことを明らかにしました。同副大統領はすでに対話を始めたと伝えられます。

 外出禁止令は同日、午後3時から翌朝8時まで1時間延長されました。銀行は25日から閉鎖され、株式市場、企業も引き続き閉鎖されています。ピラミッドの閉鎖などで観光産業も打撃を受けており、事実上、ゼネスト状態が生まれています。





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