2010年12月14日(火)「しんぶん赤旗」

武器輸出三原則

緩和は平和貢献に逆行

NHK「日曜討論」井上議員が発言


 日本共産党の井上哲士参院幹事長は12日、NHK「日曜討論」で、民主党政権が武器輸出三原則「緩和」の動きに出ていることについて、憲法9条の原点に戻って武器輸出三原則を守り、平和構築で世界をリードすべきだと主張しました。

 「緩和」について民主党の中川正春外交・安全保障調査会長は「ルールをオープンにして決める」と述べ、自民党の石破茂政調会長も「応援する」などと発言しました。

 井上氏は「石破さんが防衛庁長官時代に(三原則の)大幅見直しに言及したが、当時の福田(康夫)官房長官が武器輸出を野放図にするわけにはいかないとブレーキをかけた」と指摘。民主党はアフガニスタンへの自衛隊医官派遣も含め、自民党もできなかった方向に踏み込もうとしていると批判しました。

 その上で、「外務省のパンフレットも、日本は三原則にもとづき小型武器の被害をなくすために世界をリードできると書いている。そういう国際貢献の道をとざす方向は絶対反対だ」と述べました。

 沖縄・米軍普天間基地問題で民主、自民、公明、みんなの党は「県内移設」押し付けの立場から「沖縄の理解」の必要性を説きました。井上氏は「(先の沖縄県知事選で)『県内移設』をどの党も訴えなかったのに、選挙が終わったら説得に行こうというのは沖縄の民意を見ないものだ。(米軍基地は)戦後、銃剣とブルドーザーで不当に奪ったもので、無条件返還は当たり前だ。このことを正面から受け止めることが何よりも求められている」と述べました。


北朝鮮砲撃 冷静な対応強調

 12日のNHK「日曜討論」で北朝鮮の砲撃事件について議論となり、井上氏は北朝鮮の砲撃が「国連憲章、(朝鮮戦争の)休戦協定、南北合意に反し、非難されるべき行為だ」と厳しく批判しました。同時に、砲撃された韓国自身が「軍事攻撃」との言葉を使わず、「武力挑発」との表現を使っていることに注意を喚起し、外交による冷静な対応の必要性を強調しました。

 その上で井上氏は、北朝鮮の砲撃後、米韓合同演習に続いて最大規模の日米共同実動演習が実施されたことについて「日米は、(共同演習で)中国や北朝鮮を事実上の仮想敵としてきた。こういうやり方は、むしろ軍事的な緊張感を高めるものにつながっていく」と批判。「中国は6カ国協議ではなくて緊急会合を求めており、これを実現していくことが大事だ」と提起しました。

 朝鮮半島情勢をめぐり民主、自民、公明、みんなの党、たちあがれ日本の各党は、日米韓の軍事同盟の連携を重視する発言をしました。これに対し井上氏は、軍事同盟下にある人口は世界では16%にまで低下していると紹介し、「軍事同盟から平和の共同体へというのが世界の流れだ」「北東アジア全体での平和構築に力を尽くすことが憲法9条をもつ日本にとって大事だ」と表明しました。





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