2010年12月12日(日)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 思い出したくもない文字に出あってしまいました。「暑」。今年の夏の暑かったこと。日本漢字能力検定協会が募って選ぶ「今年の漢字」は、「暑」でした▼「日本も熱帯になったかと思うほど」「5月から11月まで暑くて、よく生きのびることができました。チリ鉱山の中も暑かったゆえ、全員の生還はうれしいニュースでした」。募集に応じて「暑」を推した人たちの解説です▼地球のきょうだい星、金星も暑い。西洋では美と愛の女神ビーナスにたとえられる宵の明星。しかし、地表の温度は460度に達するほどです。わが国が打ち上げた探査機「あかつき」は、残念ながら金星を回る軌道に乗れず、ひとまず遠ざかっています▼金星の大気は、おもに二酸化炭素です。雲におおわれ、地表に届く太陽光線は少ないのに、二酸化炭素が熱を閉じ込めます。温室効果です。いま地球でも、二酸化炭素がふえ温暖化がすすんでいます。金星の素顔や成り立ちを調べる「あかつき」に、期待は大きい▼地上では、温暖化をめぐって熱い話し合いが繰り広げられました。メキシコで開かれた、気候変動枠組み条約を結んでいる国々の会議です。温暖化を防ぐための「京都議定書」を、葬ろうとした日本政府。対して、会場に集まった市民たちは、皮肉を込めてたびたび「化石賞」を贈りました▼二酸化炭素をだす「化石燃料」で地球を暑く(熱く)する、化石のように古い考えの政府、というわけです。環境省まで今年の夏の暑さを忘れては困ります。





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