2010年12月7日(火)「しんぶん赤旗」
通所介護事業所 140カ所以上が宿泊事業
都議団会見 改善求める提言
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東京都内の通所介護事業所1952カ所のうち140カ所以上が宿泊事業を行っていることが6日、日本共産党東京都議団の調査で分かりました。同日記者会見で発表しました。
同事業所の宿泊事業については、都は実態把握をしておらず、事業数が判明したのは今回が初めて。都議団は「切実な要望に応え努力している事業所もある一方、男女同室でプライバシーがない、防火・防災対策が不十分な事業所もある」として、背景に、特別養護老人ホームやショートステイの深刻な不足がある、と指摘。都に改善を求める提言を出しました。記者会見は大山とも子、たぞえ民夫、かち佳代子、あぜ上三和子各都議が参加しました。
調査では、連泊期間が2年にも及ぶ施設が2カ所あったほか、1泊の宿泊料については800円から1万円と大きな差がありました。
宿泊を実施している施設からは「なじみの場で泊まれる利用者にとってはとてもよい」とする声の一方、「事故などの危険性も検討すべきだ」と不安の声もよせられました。
また都道府県にたいする調査も実施。46道府県から寄せられた回答では、通所介護事業所の宿泊事業について独自の基準を設けている県は5県(長野、岐阜、福井、兵庫、奈良)、事業所数や実態を把握している県は2県(山梨、鳥取)でした。
党都議団の提言は、特養ホーム、ショートステイ、小規模多機能施設などの大幅増設を提案。さらに通所介護事業所での宿泊事業の実態調査の実施、防災対策、職員体制など都独自の基準を定めるなどの規制と誘導の両面から対応すべきだとしています。
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