2010年12月1日(水)「しんぶん赤旗」

公電流出 「違法な暴露」

外交の障害 火消しに躍起

米国務長官 告発サイト非難


 【ワシントン=小林俊哉】クリントン米国務長官は29日、国務省内で記者会見し、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス」に米外交公電約25万点が流出したことを受け、「米国の外交上の利益だけでなく、国際社会に対する攻撃でもある」として、同サイトを非難しました。


 同長官は、同サイトによる文書の公開を「違法な暴露だ」と主張。一方で「オバマ政権がつくりあげてきた(各国との)パートナー関係は揺るがない」と述べました。同時に、機密保全の強化を指示したことも発表しました。

 ホルダー司法長官は同日の記者会見で、犯罪行為があったかどうかについて捜査を始めていることを明らかにしました。ただ、インターネット上での大量の外交公電の流出という前代未聞の事態を直接想定した関係法規はないとも指摘されます。

 流出文書には、メルケル独首相を「創造性がない」、サルコジ仏大統領を「裸の王様」などと表現する記載があるとされ、クリントン長官が同日会談したトルコのダウトオール外相については「極端に危険」との記述があると報じられています。クリントン長官は、同外相との会談後、「今回の事態について、建設的な議論ができた」と火消しに躍起となりました。

 また、流出文書には、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長や各国の国連大使のクレジットカード番号、暗証番号解読に関する情報、指紋などの生体情報などを収集するよう指示したクリントン長官名の文書もあるとされます。

 ライス米国連大使は同日、「外交官は外交官としての仕事をしている」と述べ、事実関係の確認を避けました。





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