2010年11月16日(火)「しんぶん赤旗」

生活苦しくても負けない

非正規切り裁判の闘争交流

全労連が開催


 全労連は14、15の両日、東京都内で、「非正規切り」された労働者が解雇撤回や直接雇用などを求めてたたかっている裁判闘争の交流集会を初めて開催しました。


 「非正規切り」は、一昨年のリーマン・ショックを契機に全国で吹き荒れ、「使い捨ては許せない」と多くの労働者が裁判に立ち上がり、いまも継続している裁判が数十件にのぼっています。

 集会には、20人をこえる裁判の当事者と支援の労働組合の代表が参加。それぞれの裁判の進展状況、生活支援の活動などを報告しあい、勝利をめざしてねばり強くたたかう決意を固めあいました。

 主催者あいさつした根本隆副議長は、裁判闘争の意義について労働者派遣法の限界をうちやぶり、大企業の横暴をただして直接雇用の実現を勝ち取るたたかいだと強調。このたたかいを勝利するために、全国的な連携を図り、労働組合だけでなく、地域的な運動と世論を構築すること、当事者の生活支援の強化を強調しました。

 鷲見賢一郎弁護士が、裁判闘争の特徴について講演しました。

 日本共産党の山下芳生参院議員があいさつし、「たたかいの相手は大企業だ。使い道のない内部留保を使えば正社員にする力は十分にある。まともな雇用のルールをつくることが必要だ」と語りました。

 15日は、労働者派遣法の抜本改正などを求めて宣伝、国会要請行動に取り組みました。

当事者らが発言

 交流集会では、当事者らから、たたかいの現状や生活支援の課題などが語られました。

 「裁判は毎回、傍聴席をあふれる支援者が集まり、励ましてくれる」。NECの偽装請負とたたかう柳瀬強・原告団長(56)=熊本県=は言いました。

 日本電気硝子との闘争で2年近くになる男性(52)=滋賀県=は組合員の状況について、300万円の借金をつくった人もいるなど貧困から抜け出せないと告発。「それでも、違法や横暴は許せない」と決意をのべ、支援を求めました。

 青森に家族を残し、生活保護を受けてたたかうJMIU(全日本金属情報機器労働組合)いすゞ自動車支部の男性(50)=栃木県=は、「相手は大企業。非正規のたたかいを一つにまとめていかなければ」と、運動の結集を呼びかけました。

 キヤノンとたたかう阿久津真一原告団長(43)=栃木県=は政府の労働者派遣法改定案について、「これでは救われない」と批判しました。

 ダイキン工業の偽装請負の是正指導によって2年半だけ直接雇用された男性(51)=大阪府=は、同社が雇い止めと同じ人数を雇い入れていることについて、「正社員化を避ける首のすげ替えであり、是正指導を骨抜きにする行為だ」と批判しました。

 生活の現状や支援の取り組みで、資生堂の中途解雇に立ち上がった女性(55)=神奈川県=は、原告7人がアルバイトをかけ持ち、生活と争議を支えていると報告。「本当に苦しい。だけど、負けてはいられません」と訴えました。

 ダイキンなどの争議を支えるJMIU大阪地本の久松博行書記長は、「立ち上がった仲間を、家族の生活を含めて支える責任がある」と指摘しました。





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