2010年11月13日(土)「しんぶん赤旗」

主張

小沢氏国会喚問

民主はいつまで引き延ばすか


 10月初めに召集された臨時国会が半ばを過ぎ、12月3日の会期末まで残り1カ月を切ったというのに、国会冒頭から焦点になってきた小沢一郎民主党元代表の国会喚問が、実現されないままになっています。このままずるずると実現しないというのは許されません。小沢氏を証人として国会に喚問するのは、国会が決めればできることです。小沢氏任せを続けている、民主党の責任は重大です。

「環境整備に努力」

 小沢氏に問われている、自らの資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件への関与は、虚偽の政治資金収支報告書を提出した容疑で3人の元秘書が逮捕され、自らも検察審査会の議決で「強制起訴」が決まっている重大問題です。小沢氏は事件が表面化してから1年以上にわたり一度も国会で説明していませんが、真相究明の責任さえ果たさないですまされていい問題ではありません。

 民主党の岡田克也幹事長は今月初めの与野党の書記局長・幹事長会談(2日)で、「小沢氏が何らかの形で国民に説明できるよう、環境整備に努力する」と発言しました。政権党の幹事長としての重大な約束です。このことばを貫くなら、民主党には小沢氏の国会喚問を実現する責任があります。

 岡田氏と話し合った小沢氏は、「強制起訴」されれば裁判で裁かれることを理由に、国会での喚問を受け入れていません。岡田氏はこれを受け、「野党が無理難題を押し付けている」と発言しました。しかし小沢氏が裁判を理由に国会での喚問を受け入れないのも、小沢氏が受け入れないからといって国会喚問実現に二の足を踏むのも、同じように間違った考えです。

 たとえ公判中であっても国会で疑惑の真相を明らかにし、政治的道義的責任を明らかにするのは、国民に選挙で選ばれた国会議員としての責任です。国会の政治倫理綱領は、疑惑を抱かれた議員は自らその真相を明らかにするよう求めています。これまで「政治とカネ」が問題になった際、公判中であっても国会での証人喚問や参考人に応じた政治家は、首相や閣僚経験者を含め少なくありません。小沢氏だけが公判を理由に国会での追及を免れようというのは、まさに国会議員としての責任を果たそうとしないものです。

 しかも証人喚問は議院証言法にもとづき国会で決めれば実現できます。理由もなく出頭を拒めばそれ自体罪に問われることになります。小沢氏自身も国会が決めれば従うといっており喚問は実現可能です。岡田氏らが小沢氏の拒否を理由に国会喚問を実現しようとしないのは民主党自身に自浄能力が欠けていることを示すだけです。

菅首相は決断すべきだ

 岡田氏が書記局長・幹事長会談で約束したように、小沢氏が何らかの形で国民に説明するよう「環境整備に努力する」というなら、国会で小沢氏の喚問を決めてこそ「環境」を整えたことになります。

 民主党代表の菅直人首相は、国会で追及されると、再三最後は自ら決めると発言しています。そのことばを実行するタイミングは、とっくに過ぎています。

 民主党は小沢氏の国会喚問を引き延ばすだけでなく企業・団体献金についても公約に逆行し再開を決めました。国民に対する何重もの裏切りというほかありません。





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