2010年11月13日(土)「しんぶん赤旗」

TPP異議 8道県議会

意見書可決


 例外なき関税撤廃を前提にする環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加協議を開始すると決めた菅内閣にたいし、八つの道県議会が、国民的議論がない「拙速なもの」として反対または慎重な対応を求める意見書を可決していることが12日、本紙の調べでわかりました。

 意見書を可決したのは北海道、秋田、愛媛、佐賀、長崎、熊本、鹿児島、沖縄の各県議会。いずれも臨時議会を開いて全会一致で可決しました。

 秋田県議会は10日に「国民的合意形成なくしてTPPに参加することに反対する意見書」を可決しました。意見書では、TPPが締結されれば「本県農業への影響は1161億円と試算されており、まさに壊滅的打撃を受けると同時に地域経済にも深刻な影響を及ぼし、本県の存亡に関(かか)わる事態となることが予想される」と批判しています。本会議では、日本共産党の山内梅良県議が趣旨説明にたち、「食料自給率向上を貫くことこそが国益にかなう道だ」とのべました。

 九州・沖縄では、長崎(1日)、熊本(2日)、鹿児島(8日)、沖縄(9日)、佐賀(10日)の4県議会が菅内閣に異議を唱えました。農業や地域経済が壊滅的打撃をうけるだけでなく、雇用など国民生活全般への影響を警告しています。佐賀県議会の担当者は、「九州各県とも農業が盛んですので、慎重な対応を求める点では一致していると思います」と話しています。

 熊本県議会は、「国の存続を危うくするTPPへの拙速な参加表明に反対する意見書」のなかで、「農業への壊滅的な打撃は、あらゆる産業において地域経済をより一層大きく冷え込ませ、雇用環境を極度に悪化させるおそれがある」としました。

 「農業・農村は食を支えているだけでなく、国土の保全や水源の涵(かん)養(よう)といった多面的機能ももっており、こうした機能が損なわれれば、一般の市民生活にも多大な影響を及ぼす」としたのは長崎県議会の意見書です。





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