2010年11月11日(木)「しんぶん赤旗」

東映アニメの解雇不当

デザイナー26年 偽装請負を告発

東京地裁


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(写真)会見する千田さん(中央)と映演労連の人たち=10日、東京地裁

 人気アニメ「ワンピース」「プリキュア」などを制作している東映アニメーション(東京都練馬区)で、「業務委託契約」を来年3月で打ち切ると通告された背景美術デザイナーが、26年以上も同社の指揮命令で働き、実態は期間の定めのない直接雇用の労働者であると地位確認を求めた裁判の第1回口頭弁論が10日、東京地裁(藤井聖悟裁判官)で行われました。

 訴えているのは、東映動画労働組合(映演労連加盟)に所属する千田国広さん(52)。裁判の原告意見陳述で、「会社は私を『フリー』『個人事業主』だと言うが、人生の半分の年月を東映アニメにささげてきた」と訴えました。

 千田さんは、1984年に入社し、美術課長の指示で大人気アニメ「ドラゴンボール」や「ワンピース」などの背景美術の仕事を行ってきました。社命で新人教育や海外での技術指導も行い、2007年からは東映アニメーション研究所の専任講師に配転され、基本給も支給されています。

 会社は、アニメ研究所の閉鎖を理由に解雇しようとしています。会社側は、千田さんを「労働者」と認めず、あくまで「業務委託契約」の打ち切りであると主張しています。しかし、仕事の内容は、業務委託とは違い、会社の指揮命令で働いており、「偽装請負」でした。

 裁判後の会見で、原告弁護団の小薗江(おそのえ)博之弁護士は「問題点は『偽装請負』だ。30〜40年も前から正社員を採用せず、『業務委託』で採用している。昨今、非正規雇用の増大が問題となるなか、不正常な状態を改めたい」と強調しました。





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