2010年10月30日(土)「しんぶん赤旗」

議定書採決ずれこむ

次回会議は12年にインドで

生物多様性 COP10 in 名古屋


 約180カ国の首脳・閣僚らが参加して名古屋市で開かれていた国連生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)は最終日の29日夕、「国連生物多様性の10年」(2011〜20年)の設定を国連総会に求める、次回のCOP11を12年10月にインド・ニューデリーで開催するなどの決定を採択しました。

 焦点の「遺伝資源の利用と利益配分」(ABS)に関する議定書についてCOP議長の松本龍環境相は、日本が29日に提示した案文を採決に付すと表明。ところが作業部会が終了しないまま閉会総会での諸決定採択が急がれた後、レセプションのために同総会を中断するなどで、議事は大幅にずれ込みました。

 ABS議定書をめぐっては、争点として残った適用範囲や順守・監視規定などに関し、28日に一部諸国閣僚による非公式折衝が行われ、指針案を作成。日本は29日、「議定書発効前に得られた物質や伝統的知識から生じる利益の共有」などの争点に関する規定のない案文を提示しました。

 COP10のもう一つの主要課題である「10年以降の戦略計画」については、▽生物多様性の損失を20年までに「止める」か「止めることを目指す」▽個別目標として陸地の15、20、25%、沿岸・海洋の6、10、20%を保護地区にする―などの案文が検討されました。

 COP10会場に集まった国内の各市民団体からは、COP11まで議長国の役割を担う日本政府に対し、辺野古・大浦湾での米軍基地建設、山口県上関での原発建設、諫早湾干拓などの問題で、自国で率先して生態系保全の措置をとるよう求める声が相次ぎました。





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