2010年10月8日(金)「しんぶん赤旗」
諫早開門 待てない
有明沿岸漁民ら 上京し政府交渉
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有明海沿岸の漁民らが7日、長崎県の国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の即時開門を求めて上京し、農水省などと交渉しました。また、国会内で「よみがえれ!有明海 即時開門を求める院内集会」を開き、一日も早い有明海の再生をアピールしました。
集会は「即時開門を求める要請行動」の一環として、よみがえれ!有明訴訟原告団・弁護団・支援する会が計画したもの。長崎県島原漁協と同有明漁協の漁民、有明海漁民・市民ネットワークの人たちや国会議員が参加し、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、紙智子参院議員、堀江ひとみ長崎県議が出席しました。
「宝の海をかえせ!」の鉢巻きをした島原漁協の中田猶喜さんは目に涙を浮かべて訴えました。「この13年間、いつよくなるんだろうかと希望をもって、政権がかわり、ようやく開門にとりくんでもらえる、そう思って一生懸命やってきた。ところが、1年以上たってもその端緒さえ見えない。もう我慢の限界です」
タコを捕っている有明漁協の松本正明さんも声を詰まらせながら「潮受け堤防排水門からの大量の(汚れた)排水にともなう赤潮発生で、8月から水揚げがゼロ。一日も早く開門して、漁業者に明るい希望を持てるようにしてほしい」。
馬奈木昭雄・よみがえれ!有明訴訟弁護団長は「漁民はもう待ったなしの状況です。これから開門アセスメント(環境影響調査)というのでは、開門がいつのことになるのかわからない。決断はいましかないという、漁民の願いを実現してほしい」と強調しました。