2010年9月28日(火)「しんぶん赤旗」
雑誌販売で“脱ホームレス”
大阪 地下鉄構内に出店
1日オープン
“脱”路上生活へのステップとして、ホームレスが共同経営する売店が10月1日、大阪市北区の地下鉄駅構内でオープンします。雑誌販売でホームレスの自立支援を行う有限会社「ビッグイシュー日本」が大阪市の提案に応じたもので、試行的に1年間運営されます。27日、市内で会見した販売員らは「売り上げを上げてせめてアパートに住めるようになりたい」(60歳男性)と意気込みを語りました。
経営者になるのは、雑誌『ビッグイシュー』の路上販売を続けているホームレス4人です。4カ月を1期として1年間で12人が参加する予定で、4人が3時間交代で『ビッグイシュー』を販売、売り上げは4等分します。接客の引き継ぎや売り上げ・在庫管理などをホームレスが共同で行う事業は世界的にも珍しいといいます。
地下鉄御堂筋線梅田駅と四つ橋線西梅田駅間にある3平方メートルの空き店舗で出店します。改装は市内のデザイン会社が担当。「気分的に仕事にシフトしやすいように」と販売員が身につけるネッカチーフやバッジもつくりました。
「ビッグイシュー日本」の佐野章二代表は「ホームレスはひとりでいることに慣れ、共同ですることが苦手。共同経営でそういう感覚を回復してほしい」とエールを送るとともに、路上生活から脱却するチャンスにと、国内他地域にも同事業を提案していく考えを示しました。