2010年9月26日(日)「しんぶん赤旗」

ベネズエラ 国会議員選挙 きょう投票

チャベス政権の評価問う


 【カラカス=菅原啓】南米ベネズエラの国会(1院制165議席)議員選挙は、米国言いなりの政治を拒否し、国民生活向上に力点を置いた変革の事業を進めてきたチャベス政権の評価をめぐり、与野党の激しい宣伝・組織戦が続く中、26日の投票日を迎えます。


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(写真)22日、チャベス大統領の写真を掲げて与党の選挙集会に参加した人びと=ベネズエラ・カフカス(菅原啓撮影)

 1999年に発足したチャベス政権は、豊富な石油収入を医療、教育、食料供給など国民生活改善のために活用し、地域住民の自治や参加を重視した社会開発プログラムを全国で展開。貧困人口を大幅に低下させるなど多くの成果を挙げてきました。

 政権与党のベネズエラ統一社会主義党(PSUV)は、この変革を、「社会主義祖国の建設」と名づけ、フロレス国会議長は「選挙勝利によって革命の成果を守るだけでなく、革命を深化させよう」と訴えています。

 チャベス政権の改革で既得権益を脅かされる富裕層や企業家などが中心となった野党勢力は、2005年の前回選挙をボイコットしましたが、今回は三十数政党が「民主統一同盟(MUD)」を結成して統一候補を擁立。汚職事件や犯罪増加などを根拠に、政府批判を強めています。

 チャベス大統領は22日、首都カラカス市内での与党集会で、国会議席の3分の2にあたる110議席の獲得を与党勢力全体の目標としてあらためて提起。米国からの直接・間接の支援を受ける野党勢力に勝利しようと呼びかけました。

 集会に参加していた年金生活の女性クリスティナ・クレインさん(64)は、「私たち貧しい国民をともかく食べていけるようにしてくれたのが今の政府。この政治をさらに発展させたい」と語りました。

 世論調査などによると、与党側の国会議席の過半数獲得は確実と見られていますが、マスコミを動員した野党側の宣伝も強く、与党が3分の2の目標を達成できるかどうかは不透明です。





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