2010年9月17日(金)「しんぶん赤旗」

図書館業務劣化憂う

職員雇用の改善案を提起

奈良で全国大会


 国民読書年と図書館法60周年にあたる今年、第96回全国図書館大会が16日、奈良市で始まりました。全国各地の図書館関係者など1200人が参加。17日まで開かれます。

 基調報告では、大会副会長で日本図書館協会理事長の塩見昇氏が前大会以降の図書館と図書館界をめぐる主な動向を紹介しました。

 塩見氏は、指定管理者制度導入や派遣職員の受け入れなど図書館の管理運営や業務の外部化が進み、雇用劣化、官製ワーキングプアの増大を招いたことに「極めて遺憾」としました。その上で、よりよい図書館サービスとまちづくりに貢献し、委託者である自治体、教育委員会と受託者双方がその実施に責任を果たせるよう「図書館事業の公契約基準」(試案)を発表しました。

 公契約基準は、委託者が職員の継続雇用とスキルアップ、図書館のサービス拡充に、受託者が職員への適正な賃金保障に、それぞれ責務を負うと盛り込んでいます。

 塩見氏は「図書館業務がこの基準以下の劣悪な状況で担われてはならない。その思いを委託者・受託者が共有できるよう日本図書館協会などが関与し、中身を維持し、つくり、高め合いたい」と述べました。

 来賓として長尾真国立国会図書館長、李恩徹韓国図書館協会長らがあいさつ。亀山郁夫東京外大学長が記念講演しました。

 2日目は16の分科会と展示が行われます。





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