2010年8月30日(月)「しんぶん赤旗」

日本母親大会終わる


 福島市内で開かれていた第56回日本母親大会は29日、分科会やシンポジウム、講座など41のテーマにわかれて討論・学習をおこない、2日間の幕を閉じました。参加者は2日間でのべ1万3000人を超えました。

 税金・消費税、医療、生存権、メンタルヘルス、イラク戦争、日米安保条約、メディアと子ども、松川事件、東北の民話などを扱った分科会・シンポジウムは満杯で、立ったまま、あるいは床に座って聞き入る人たちもいました。

安保改定50年でシンポ

写真

(写真)参加者の関心を集めた安保条約改定50年を考えるシンポジウム=29日、福島市・福島大学

 シンポ「安保改定50年」には会場を埋める340人以上が参加。主催者が「仕事がないのも、平和やくらしが不安なのも、食料自給率が低いのも安保のせい?」となげかけ、改定から50年を迎えた日米安保条約について熱心に学びあいました。

 沖縄県統一連の山田義勝事務局長は、沖縄県民の土地を奪って米軍基地がつくられた経過や米兵犯罪・事故の深刻さを紹介し、普天間基地の無条件撤去、新基地建設反対を求める島ぐるみのたたかいを報告。11月28日投票の沖縄県知事選必勝のため、全国の支援をと訴えました。

 新日本婦人の会の高田公子会長(日本母親大会実行委員会代表委員)は、基地あるがゆえに、米兵によるレイプなど女性への人権侵害が絶えないと告発。安保条約が、日本への食料輸入拡大・自由化をおしつけ、アメリカいいなりの経済、軍事費激増など、くらしとも深くかかわっていると語りました。

 日本平和委員会の川田忠明常任理事は、「抑止力」論では軍拡と戦争の悪循環になるとのべ、外交や地域共同体で平和を守るのが歴史の方向だと指摘。軍事同盟から平和友好の日米関係に転換するとともに、経済的にも依存と従属の関係から相互発展の対等な関係に切り替える必要があると強調し、安保廃棄の国民的な議論を起こそうと呼びかけました。

 妻を米兵に殺された神奈川県横須賀市の山崎正則さん、鹿児島県徳之島で普天間基地の訓練移転反対運動にとりくむ「徳之島の自然と平和を考える会」の幸千恵子さん、新婦人沖縄県本部顧問の古堅芳子さんが特別報告しました。

教育費保障の運動広く

「子どもの学び生きる権利と貧困」分科会

 「子どもの学び生きる権利と貧困」分科会では、親の生活の貧困化によって子どもたちが厳しい状況に置かれている実態が各地から報告されました。

 香川県の女性小学校教員は、給食費や教材費の会計事務が栄養士や教師の大きな負担になっていると説明。親の虐待から逃れて京都から来た母子が2年目に生活保護を切られ、就学援助の手続きも遅れて給食費などの未納金が出て困った事例を報告しました。

 神奈川県の女性は、保険証を持っていない親が多く、子どもが病院に行けない実態を指摘。「子どもだけでも病院に」と運動し実現したと話しました。

 福岡県の女性は、若い世代の収入が急激に減り、以前10%だった就学援助を受ける人が、今年は25%に増加、給食費の滞納も増え「取り逃しのない体制」がとられていると話しました。

 岩手県の女性は、表面的には昔より貧乏な人がいないように見えるが、若い人たちの生活は非常に厳しいと発言。孫3人も就学援助を受けているが、若い世代が憲法25条を保障される運動をしましょうと述べ、大きな拍手を受けました。

 学校で非常勤職員が増えている実態も各地から出されました。「教員免許を持っていても一般臨時職員で、1日5時間働き年80万円の収入。ダブルワークを2カ月続けたが倒れそうになり生活保護を受けながら仕事をしている」と話した埼玉県の女性。子どもの学ぶ権利を保障するためにも、正規職員が当たり前の教育現場にしたい」と力を込めました。

 助言者の鈴木久之さん(全国学校事務職員制度研究会)は、「学校は子どもと地域のためにあるのだから、学ぶ権利を保障する成長発達保障費としての教育費保障を確立する議論を大いに強めよう」と呼びかけました。





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