2010年8月29日(日)「しんぶん赤旗」

貧困が子の可能性奪う

東京3弁護士会がシンポ


 東京弁護士会と第一東京弁護士会、第二東京弁護士会の3弁護士会は28日、東京・霞が関の弁護士会館で、シンポジウム「貧困で子どもたちの可能性を奪わないで―就学の保障を切り口に」を開き、約200人が参加しました。

 冒頭、公立の夜間定時制高校に通う男性(2年生)が、母子家庭で兄と3人暮らしの家庭実情を語りました。母親は病気で働けず、生活費は兄と自分のアルバイト代と奨学金でまかなっています。授業料は無料になりましたが、そのほかの学校納付金を去年の3月ころから滞納しているといいます。「中学のときは就学援助の制度も知らなくて受けられませんでした。ぼくのように家庭や人間関係がうまくいかない子どもがいることを多くの人に知ってほしい」と参加者に訴えました。

 平尾潔弁護士が、就学援助制度の問題点を中心に基調報告。立教大学教授の湯澤直美さん、荒川区教育長の川嵜祐弘さん、高校教師の鈴木敏則さん、社会福祉士の竹村睦子さん、弁護士の平湯真人さんがパネリストとしてそれぞれの立場から子どもの貧困の実態を報告し、ディスカッションしました。

 子どもの貧困は社会の問題であり、就学の保障の不平等が子どもの貧困の原因でもあり結果にもなっていることが確認され、学校教育費の無償化こそが解決のカギになると話し合われました。

 このシンポジウムは日本弁護士連合会が10月に開く人権擁護大会のプレ企画として開かれたもの。9月4日・愛媛と京都、同23日・愛知、10月3日・秋田など、各地の弁護士会が「子どもの貧困」をテーマにシンポジウムを開く予定です。





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