2010年8月28日(土)「しんぶん赤旗」
コロンビアとエクアドル
関係正常化へ委員会
南米に紛争解決の流れ
【メキシコ市=菅原啓】コロンビアのオルギン外相とエクアドルのパティニョ外相は26日、コロンビアのイピアレスで会談を行い、両国関係の正常化に向けた委員会を10月に開くことで合意しました。南米では今月10日、南米諸国連合(UNASUR)などの仲介が功を奏して、コロンビアとベネズエラの関係修復が合意されたばかり。紛争を粘り強い交渉で解決する流れが続いています。
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コロンビアの週刊誌『セマナ』電子版は「コロンビアとエクアドル関係の全面的な再確立にさらに接近」との見出しで報じています。
エクアドルは2008年3月に発生したコロンビア軍による反政府武装集団の掃討を理由とした越境攻撃事件を「主権侵害」として、コロンビアとの断交を決定。その後、両国は09年11月に代理公使を交換するなど和解の動きが進んできました。
オルギン外相によると、10月にエクアドルの首都キトで開かれる両国合同委員会では、国境地帯の治安対策、内戦状態を逃れてエクアドル側に渡ったコロンビア人難民の問題などが協議の対象となります。
エクアドルのコレア政権は、越境攻撃にコロンビア駐留の米軍部隊が関与していたとの疑いをもっています。このため、事件の真相解明を強く求めてきました。
今回の会談で両外相は、真相解明の合同委員会を10月後半にコロンビアの首都ボゴタで開催することでも合意しました。
会談では、このほか国境付近の火山を利用した地熱発電計画など共同のインフラ整備や経済協力などさまざまなテーマが取り上げられました。