2010年8月18日(水)「しんぶん赤旗」

「ねじれ国会」は異常?

国民の審判の結果 過去4回、通算16年間も


 一部のマスメディアが、参院で野党が過半数を占める「ねじれ国会」を“異常事態”と断定し、打開を求めるキャンペーンを行っています。

 例えば「読売」社説(7日付)は、“政治は何も決められない”“日本政治の停滞を避けるには、衆参ねじれ国会の難局を打開すべきだ”と主張。民放のテレビ番組(8日放送)でも「ねじれ国会」打開を名目に、増税反対の政党を国会から締め出せと言わんばかりの意見が出ています。

 とくに、「読売」社説は、「ねじれ国会」打開と絡めて「首相が消費税問題で逃げの姿勢を取ることは許されない」(3日付)と、消費税問題での与野党の合意形成も視野に入れた危険な主張を展開しています。

 しかし、一部のマスメディアが騒ぎたてるほど、「ねじれ国会」は“異常”なのでしょうか。戦後、参院で野党が過半数を占める「ねじれ」状態は、過去4回あります。

 竹中治堅(はるかた)著『参議院とは何か』(中央公論新社)によると、(1)1947年5月〜56年12月(2)89年8月〜93年8月(3)98年6月〜99年10月(4)2007年8月〜09年7月。通算すると、戦後の約16年間にわたります。

 マスメディアが「ねじれ国会」を喧伝(けんでん)し始めたのは、07年の参院選で自民党が大敗し、自民党と民主党の「大連立」騒動が起きた前後からです。財界やメディア関係者などでつくる「21世紀臨調」は、法案の与野党修正や合意を容易にする「国会改革」を07年から09年にかけて緊急提言しました。

 今回の参院選結果をうけて世界平和研究所(会長・中曽根康弘元首相)も8月、“政府提出法案の国会での議事日程や取り扱いなどに政府が関与すべきだ”とする緊急提言を発表し、政府法案を速やかに成立させる「国会改革」を求めています。

 「ねじれ国会」は、選挙による国民の審判の結果です。国会の正規の場で徹底したオープンな議論を行い、与野党で一致できるものは成立させ、結論が出ないものは廃案にする、この当然のことが国民の意思に応える道です。





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