2010年8月13日(金)「しんぶん赤旗」

日航機墜落25年

空の安全願い追悼登山

“会いに来たよ”


 日本航空123便が群馬県上野村の御巣鷹の尾根に墜落し、520人の犠牲者を出した事故から25年を迎えた12日、遺族らは犠牲者の追悼と空の安全を願って墜落現場に登りました。


写真

(写真)墜落現場を訪れ、墓標に手を合わせる遺族ら=12日、群馬県上野村

 時おり小雨がぱらつくなか、遺族らは折り鶴や花を手に、ぬかるみに足を取られながら追悼登山。緑が生い茂る急斜面にはフルートの演奏が流れ、点在する犠牲者の墓碑には線香がたかれ、ゆかりの品が供えられました。

 墜落現場に建立された「昇魂之碑」の前では、遺族らが空の安全を祈る鐘を鳴らし、「会いに来たよ。怖かったね」などと書かれた短冊が、何枚も鎮魂の鈴とともに風に揺れていました。

“事故原因 知りたい”

 墓標に花を手向け、手を合わせていたのは、大阪府吹田市から来た男性。3歳のときに旅行会社の代理店で働いていた父親(当時33歳)を亡くしました。出張中でした。

 「彼女ができて今は幸せです」と報告したという男性。「物心ついたときには父親はもういなくて、顔は写真でしか見たことがない。母からは野球好きで仕事のできる人だったと聞いている。時々もし生きていたらどんなお父さんだったんだろうと想像します」と語りました。

 事故で息子と娘をそれぞれ15歳と12歳で亡くした横浜市の男性(70)は線香を立て、墓碑を優しくなでました。「安全のため、遺族はみんな落ちた本当の理由を知りたい。このままでは納得はできません」

 同日夜に「慰霊の園」で開かれた追悼式では、遺族らが520本のろうそくに点火。オレンジ色の炎が揺れるなか、参列者は墜落時刻の午後6時56分に合わせて黙とうしました。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp