2010年8月10日(火)「しんぶん赤旗」

もんじゅ 吉井衆院議員ら調査

運転再開 事故現場で説明受ける


 約14年半ぶりに運転再開し7月22日に最初の試験を終えた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を、日本共産党の吉井英勝衆院議員と福井県委員会による調査団が9日、現地調査しました。日本原子力研究開発機構の伊藤和元・理事、向和夫・高速増殖炉研究開発センター所長らが対応しました。

 調査団は、1995年に発生したナトリウム漏れ・火災事故の現場(2次系主冷却系配管室)や、中央制御室の様子について説明を受けました。

 事故現場では、ナトリウム漏れの原因となった、折れた温度計が新しいタイプのものに交換されたほか、監視カメラや火災報知機などが多数設置されていました。また通路には、ナトリウム漏れに備えて、窒素ガスを注入する配管やナトリウム火災専用の消火器、防護服などが置かれていました。

 吉井議員は「プルトニウムの毒性や放射能汚染、ナトリウムの取り扱いの難しさから、多くの設備を要することが今日の調査で改めて明らかになった。コストアップにつながり、採算を含めて成り立つかどうかが問題だ」と指摘。機構側は「意見として受け止める」と答えました。

 調査団のメンバーは「取り換えたナトリウム検出器そのものの不備や取り付けミスがいわれている」として、誤警報が続いた問題などで住民への説明を求めました。機構側は、今後住民説明会を行う予定だと答えました。

 調査には、日本共産党の佐藤正雄前県議、金元幸枝県書記長、上原修一、山本貴美子の両敦賀市議のほか、原発の安全性を求める嶺南連絡会のメンバーも同行し、計13人が参加しました。


 もんじゅ 原発の使用済み燃料を再処理して取り出したプルトニウムを燃料に使い、消費する以上のプルトニウムを生み出しながら発電するタイプの原発「高速増殖炉」の原型炉(研究開発段階)。95年にナトリウム漏れ・火災事故を起こし、今年5月6日に運転を再開するまで約14年半止まったままでした。7月22日に終了した性能試験の第1段階の「炉心確認試験」では32件の不具合が確認されました。現在は、第2段階の「40%出力プラント確認試験」(来年度に予定)を準備中です。これまでの総事業費は約9000億円。





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