2010年8月4日(水)「しんぶん赤旗」

機密費流用なぜ調べぬ

塩川氏追及 98年沖縄知事選に3億円


写真

(写真)質問する塩川鉄也議員=3日、衆院内閣委員会

 自民党・小渕政権当時の沖縄県知事選対策費に3億円の官房機密費が使われたとされる問題が、3日の衆院内閣委員会で取り上げられました。日本共産党の塩川鉄也議員が質問したものです。

 この問題は、鈴木宗男元官房副長官(新党大地代表)が7月21日のTBS番組で証言したもの。官房副長官として当時の小渕恵三首相と野中広務官房長官を支えた鈴木氏は、1998年の沖縄知事選で稲嶺恵一陣営のために「3億円使ったと聞いている」と証言。全額を機密費から支出したことも明らかにしました。

 塩川氏が鈴木氏らからの聞き取り調査を要求したのに対し、仙谷由人官房長官は、テレビ番組での発言は「証言でもなんでもない」として、「調査する手だてがない」と拒否。塩川氏は、2001年の国会で知事選への流用が問題になったさい、当時の福田康夫官房長官さえ調査を行ったことを示し、「ないのは手だてではなく、やる気だ」と批判しました。

 塩川氏は、鈴木氏が毎月1億円以上支出していたと証言する当時の官房機密費(官房長官扱い分=年間約12億円)だけでは、知事選への3億円投入は不可能であり、外交機密費の首相官邸への上納分だった可能性があり、事実ならば、予算の目的外流用という財政法違反も加わり、「二重に不正な流用になる」と指摘しました。

 また塩川氏は、日米合意で沖縄県・米軍普天間基地の「移転」先とされている名護市での「地元工作費」のほか、鳩山政権が同県うるま市や鹿児島県・徳之島への一部「移設」を検討したさい、当時の平野博文官房長官が現地の自治体議員を官邸に呼んだり銀座で接待した費用に官房機密費を使ったとの疑惑を民主党の喜納昌吉前参院議員が国会で取り上げたと指摘。「国民への説明が必要だ」と重ねて追及しました。

 仙谷氏は、鳩山政権の機密費の出納管理簿さえ「現時点では引き継いでいない」と答弁。

 塩川氏は、1年間の支出状況を調査し公開を検討するとしていた鳩山政権よりも後退したと批判しました。





■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp