2010年8月1日(日)「しんぶん赤旗」

世界大会成功へ 国連総長メッセージ

「核廃絶の努力 称賛」


 国連の潘基文(パンギムン)事務総長は、原水爆禁止2010年世界大会の成功を願うメッセージを原水爆禁止日本協議会(日本原水協)に寄せました。国連事務総長から世界大会にメッセージが届いたのは初めてです。

 潘氏は、「みなさんの努力は、世界的な核兵器廃絶支持の大波をつくりだしました。日本の偉大な芸術家、葛飾北斎が昔描いたような、大きく美しい、壮大な波です」と評価しています。

 5月にニューヨークで開かれた核不拡散条約(NPT)再検討会議に、日本原水協が日本国内と世界中の多くの団体と協力して600万をはるかに超える核兵器廃絶署名を提出したとのべ、「この重要な大義を追求するすべての人々の大きな努力に称賛を送る」としています。

 毎年開かれている原水爆禁止世界大会は「多くの重要な役割を果たしています」とのべ、世界に対し、1945年8月に広島と長崎で悲劇的に失われた多くの人々の命を想起させていること、被爆者の困難と、被爆の長期的な影響で苦しむ被爆者を支援する必要性を思い起こさせること、若い人々の間での軍縮教育の促進方法の探究を援助していることを指摘しています。

 「みなさんの献身にお礼を申し上げます。私自身としても、さらに核兵器廃絶・軍縮の仕事を続けていくつもりです」とのべて、「みなさんとともにこの課題で前進できることを期待しています。これは人類すべての将来の福祉にとって本当に重要なことです。世界大会の大きなご成功をお祈りします」と結んでいます。


あすから原水爆禁止世界大会

 原水爆禁止2010年世界大会が、被爆地・広島と長崎で2日から9日まで開かれます。5月の核不拡散条約再検討会議をうけて、「核兵器のない世界」の実現にむけて運動の方向を話し合う場になります。

 ことしは、潘基文(パンギムン)国連事務総長が初めてメッセージを寄せました。国連代表をはじめ、エジプト、マレーシア、メキシコ、キューバなど核兵器廃絶にとりくむ政府の代表やNATO加盟国のノルウェーの代表が出席します。国連、各国政府、世界の反核平和団体や平和運動家が一堂に会しておこなわれる議論が内外から大きな注目を浴びています。

 世界大会では、核保有国に廃絶を目標にした交渉のテーブルにつかせる国際世論を高める運動、また、廃絶の最大の障害になっている「核の傘」「核抑止力」論の克服も論議されます。

 核兵器廃絶を求める世界の世論の高まりと日本の運動への期待を反映して、6日の広島市の平和記念式典には、潘基文国連事務総長が出席します。昨年を10カ国上回る69カ国の代表が出席。これまで参加してこなかった米国は、ルース駐日大使が出席するなど注目されています。長崎の平和式典にも、核保有国が参加するなど様変わりしています。





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