2010年7月29日(木)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「金融危機のギリシャ・ポルトガル 独軍需企業が食い物」―。昨日付の本紙国際面の見出しです▼ドイツ企業が両国にわいろを使って潜水艦を売り込んだ、と疑われています。ギリシャの場合、2隻に10億ユーロ(約1100億円)以上払います。財政赤字を減らすといって消費税率引き上げであてこむ増収の、1年分がまるまる消えてしまう額です▼黒幕会社がわいろを贈ったと疑われていますが、潜水艦はティッセンクルップの系列社製です。親会社は、鉄鋼大手2社のティッセンとクルップの合併でできた大企業。クルップは、かつて「死の商人」として知られていました▼第1次大戦時、敵味方ともクルップの兵器を使ったそうです。ナチス・ドイツ時代、ティッセンともども「ヒトラー景気」にわきます。ナチスが敗れ、「軍需はもうからない」と兵器づくりをやめた時もありました。しかし、財政難の国を食い物にする今度の事件に顔をのぞかせました▼ところで、財政難にあえぐわが国も軍事費で食い物にされていないでしょうか。米軍への「思いやり予算」は、今年度3370億円。米兵用の豪華なスポーツ施設、娯楽場や住宅に化けます。米国防総省の高官は、日本にもっと多く負担するよう求めました▼「削れば、日本が安全保障に力を入れていないとの誤ったメッセージを送る」と米高官。しかし、削らないと次のメッセージを送るでしょう。「増税まで計画して米軍にいたれりつくせりの、世界に例をみない大国いいなりの国」





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