2010年7月15日(木)「しんぶん赤旗」

東エルサレムのパレスチナ人住居

イスラエルが破壊

和平交渉 再開の動き覆す

国際社会が非難


 【カイロ=松本眞志】イスラエルのエルサレム市当局は13日、東エルサレムのベイトハニナにある建設中のパレスチナ人住居2棟と工場の一部を「市の許可証」がないことを理由に破壊しました。イスラエルが東エルサレムのパレスチナ人住宅を強制破壊したのは8カ月ぶり、ネタニヤフ首相は6日にオバマ米大統領と会談し、イスラエル・パレスチナ間の「信頼醸成」の具体的措置をとることを約束したばかりでした。パレスチナ側との和平交渉再開への動きを根底から覆すものとして国際社会から非難を浴びています。


地図

 夫と5人の子どもとともに住居を奪われたリンダ・アルラジャビさんは「彼ら(イスラエル)は数百の入植地を建設しているけど、私には掘っ立て小屋に住む権利もないの」と非難しました。

 イスラエルは、和平交渉の努力を損なうとの米国の圧力を受け、昨年11月から東エルサレムでのパレスチナ人住居の破壊を非公式に凍結。米国のミッチェル中東特使も、パレスチナ人住居を破壊しないようイスラエルに公式に要求していました。

 イスラエルによるパレスチナ人住居破壊を受け、国連と欧州連合はただちに懸念を表明。米国も米イスラエル首脳会談をほごにするものと批判を強めています。米国務省のクローリー報道官は「米国はエルサレムにおける住居破壊行為への不同意を明確にし、すべての関係者に信頼を損なう行為を避けるよう求めた」と語りました。

 東エルサレムは、1967年の第3次中東戦争でイスラエルがパレスチナ人から奪った占領地。国際社会は東エルサレムを統合した「エルサレム」をイスラエルの首都と認めていません。また東エルサレムに併合されたベイトハニナを含む地域は元来、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸であり、エルサレム市当局が、住民に居住する許可を与えたり、拒否する権限はありません。





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