2010年7月13日(火)「しんぶん赤旗」

日米共同演習587日に

海兵隊と“殴り込み”訓練も

09年度


 2009年度に自衛隊と米軍が実施した共同演習が、少なくみても51回、のべ587日間に達することが、本紙の情報公開請求に対し防衛省が明らかにした資料などで分かりました(日米が参加した多国間訓練を含む)。08年度(54回、のべ619日間)とほぼ同水準で、海外派兵の拡大を念頭に置いた日米軍事一体化が一層進展しているのが特徴です。

最新鋭艦使う

 今年2月には、陸上自衛隊の部隊(鹿児島県国分駐屯地の第12普通科連隊所属)が、米カリフォルニア州の海兵隊基地キャンプ・ペンドルトンで共同演習「アイアンフィスト」(鉄の拳)を実施。米海軍の最新鋭のステルス揚陸艦ニュー・オーリンズに海兵隊部隊とともに乗り込み、水陸両用車などを使って海岸を強襲する上陸訓練を行いました。

 陸自は訓練の目的について「経験豊富な米軍から知識・技能を吸収」し「相互連携要領を演練」すると説明。海外の紛争地に真っ先に上陸し“殴り込み”をかける米海兵隊との共同作戦能力を高めるものでした。

 陸自はこの間、イラクやアフガニスタンでの戦争に参加した米海兵隊や米陸軍の部隊との共同演習を繰り返し、戦闘方法などを実地で学んでいます。今年2月にも日本原演習場(岡山県)で、アフガンに頻繁に派遣されている沖縄の海兵隊部隊(戦闘強襲大隊)との共同演習を行っています。

 昨年12月、東千歳駐屯地(北海道)で陸自と米陸軍による日米共同方面隊指揮所演習が行われた際、米側責任者のミクソン太平洋陸軍司令官は陸自のアフガン派遣について「期待」を表明。「陸上自衛隊は米軍との共同訓練を重ねているので、協力しやすい」「決定されれば、米太平洋陸軍が派遣準備に協力する」と語っています。(北海道新聞09年12月11日付)

 航空自衛隊も、海外での戦闘能力の強化につながる訓練を積み重ねています。

空中で給油も

 空自のF15戦闘機は03年から米アラスカ州での多国間演習に遠征するため、米空中給油機による給油を受けています。空自は戦闘機などの海外遠征を可能にする空中給油機の導入を独自に進めており、昨年10月のアラスカでの演習「レッドフラッグ・アラスカ」の際にも米側から空中給油を受けました。

 05年からは米領グアムでの共同演習「コープノース・グアム」で空自戦闘機による500ポンド(225キロ)爆弾の実弾爆撃訓練を開始し、07年には対地・対艦攻撃に優れたF2戦闘機が初参加しました。09年には米側から核攻撃能力を持つB52戦略爆撃機が初めて参加し、同機に対する護衛訓練も実施。今年2月の同演習にも参加しています。

 このほかタイで実施されている多国間訓練「コブラゴールド」で、今年2月に自衛隊が初めて部隊として国連平和維持活動(PKO)の実動訓練に参加。多国間訓練への参加も質量ともに拡大傾向にあります。(榎本好孝)

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