2010年7月9日(金)「しんぶん赤旗」

独、軍事費1兆円削減

欧州の軍縮に拍車

メディア報道


 ドイツのマスコミは7日、独国防省の専門家グループが93億3000万ユーロ(約1兆412億円)にのぼる大幅な軍事費削減案を提出したと報じました。(片岡正明)


 ドイツ政府は、6月に今後の4年間で800億ユーロ(約8兆9280億円)の財政緊縮政策を発表。緊縮策の中で、軍事費を聖域にせず、軍隊も徴兵制をやめる方向で検討し、兵士4万人を削減するなどの案がすでに出ていました。

 今回の専門家グループ案は軍事費の分野での大幅削減をさらに具体化するもの。グッテンベルク国防相が承認すれば、正式な閣議への提案となります。英仏伊など他の欧州諸国も軍事費削減を発表していますが、今回のドイツの案は、欧州の軍縮傾向にさらに拍車をかけそうです。

 2011年の7億7540万ユーロからはじめ、15年までの毎年削減額を積み上げ、5年間で93億3000万ユーロを削減する計画です。独マスコミによる軍備の具体的な削減案は表のとおり。

 ドイツの国防費の国内総生産(GDP)比は1・3%と、すでに北大西洋条約機構(NATO)の中ではもっとも小さい国の一つですが、グッテンベルク国防相は政府の財政状況にかんがみ、大幅な予算カットが必要だと述べていました。

 ロイター通信によると、メルケル政権与党のキリスト教民主同盟(CDU)のロベルト・ホッフバウム下院国防政策委員会委員は「福祉の予算を削って、軍事費はそのままというわけにはいかない」として、「徹底的な予算削減がおこなわれるだろう」と述べました。

表




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