2010年7月6日(火)「しんぶん赤旗」

NHK参院選特集 参院代表に聞く

小池あきら政策委員長の発言


 日本共産党の小池あきら政策委員長は4日夜、NHKの討論番組「参院選特集」に出演し、与野党8党の代表とともに参院選終盤戦に向けての討論を行いました。


 冒頭、投票日までの1週間、何を訴えるかを問われた小池氏はこう述べました。

何を訴えるか

共産党の躍進で消費税増税にストップを

 小池 消費税10%への怒りは非常に強い。暮らしが大変なときに普通の4人家族で16万円も負担が増えることは本当に許されないという声が広がっているし、菅首相が低所得者に還付すると言い出しましたが、結局、消費税増税は弱いものいじめだと認めたことですよ。でも、その基準が「200万円以下」「300万円」「400万円」と迷走している。400万円だと半分近くの世帯ですから、それなら最初から上げなければいい。共産党の躍進で消費税増税をストップさせようと徹底的に訴えたい。

 一方、民主党の輿石東参院議員会長は、「消費税10%が既成事実のように言われるが、自民党の数字を参考にするというだけ」「衆院の任期中は(消費税を)上げないという方針は、鳩山前首相のときと変わらない」などと述べ、公約を裏切って増税路線に転じたことを開き直りました。これには各党が反発。小池氏はこう指摘しました。

消費税増税

大企業の減税の財源絶対に許されない

 小池 どう考えても変わっています。もともと、(総選挙の公約に)消費税のしょの字もなかったのを、10%という数字をいったわけです。2010年度中には増税法案を成立させるといっています。来年3月までですよ。しかも民主党のマニフェストには消費税の増税と法人税率の引き下げがはっきり書いてありますよ。となると、社会保障や財政のためという議論が全部崩れます。

 結局、(消費税の引き上げ分は)法人税率の引き下げ分に全部充当されてしまって、財政再建にも社会保障にも回らない。22年間の消費税の歴史というのは、消費税を224兆円集めた一方で、同じ時期に法人税が208兆円さがったわけです。それと同じことを規模を拡大して、大企業の減税の財源づくりのためにやることは絶対許されません。

社会保障・経済・財政

軍事費5兆円・政党助成金320億円などにメスを

 これに対して自民党の林芳正幹事長特別補佐は、「われわれは消費税を社会保障に全部使う。それでも9、8兆円の赤字が出る。赤字と、毎年自然増で増えていくものなどに7兆円。15兆円が必要になる。そのために10%が必要だとマニフェストに書いた。政権を奪還して、一日も早く税制改革に取り組みたい」と消費税増税に執念を見せました。

 菅首相の消費税増税「還付」発言のブレを指摘された輿石氏は、「総理もこれから党内で議論していこうと提起をした」などと無責任な発言。小池氏はこれを厳しく批判しました。

 小池 これから党内で議論するといいながら、10%という数字をいうこと自体異常じゃないですか。こういう民主党の無責任な姿勢に対する不信感が高まっているのです。それから「財政のムダを削った」と言うが、事業仕分けでも今までの「聖域」は削れていません。5兆円の軍事費になぜメスを入れないのか。それから議員定数の削減というけれど、年間320億円の政党助成金を廃止すれば450人分の議員を削減するのと同じ経費が出ます。こういうことにメスも入れないで消費税増税なんて、とんでもない話です。

普天間問題

新基地つくる日米合意では沖縄県民の負担軽減にはならない

 議論は、沖縄・米軍普天間基地の「移設」問題に移りました。輿石氏は、「5月の日米合意を基軸に、沖縄の負担をどう軽減するのかということだ」と述べたのに対し、小池氏はこう批判しました。

 小池 負担軽減というが、「日米合意」をふまえる、と輿石さんはいいました。「日米合意」は沖縄の辺野古に新基地をつくるのですから、これは負担軽減になりません。

 そもそも、普天間基地は戦争直後にアメリカが(住民の私有地を強奪するという)国際法違反で基地にしたわけです。移設先を見つけないと(沖縄から)出て行かないという議論に道理はありません。沖縄はもちろん、日本のどこにも新しい基地をつくる場所はないと、アメリカにきちんと言わなければいけない。世論調査では、普天間基地を抱えている宜野湾市の市民の96%が辺野古への移設に反対し、75%が無条件撤去と言っています。普天間基地は一刻も早く撤去したいけど、よそに押し付けることは許されない。苦しみは押し付けるのではなくて、消さなければいけない。この住民の声に応えるべきです。

 一方、自民党など各党は一様に、「日米同盟が基軸」であることを強調し、その立場から「民主党はアメリカとの信頼関係をなくした」と批判。沖縄県民に対しても、「(自公政権時代に)苦渋の選択で(辺野古への新基地建設を)受け入れてくれた。もういちど、一から沖縄県民との信頼醸成を進めるしかない」(公明党・白浜一良参院会長)と、新基地受け入れを説得すべきとの立場で共通しました。小池氏はこう指摘しました。

日米同盟

菅首相は「海兵隊は抑止力」に変わり 軍事同盟も賛美

 小池 6月27日の日米首脳会談で菅首相は「日米同盟は過去50年間にわたって我が国およびアジア太平洋の平和と繁栄の礎となってきた」と、過去半世紀にわたって全面賛美しました。でも、民主党は2003年のイラク戦争に反対し、国連憲章違反の戦争だと批判しました。そういう態度を過去にとっておきながら、アメリカとの間では過去半世紀を賛美する。そこはどう変わったのか、まったく説明がない。菅さんは沖縄の海兵隊についても、「抑止力ではない」「日本には置いておく必要がない」と野党時代にいっていましたよ。

 小池氏の指摘に対して輿石氏は、「政権与党とすれば、責任を持って国の安全を確保しなければならない。各党でも、共産党を除いて、日米を基軸にした安全保障、共通理解だ」と述べ、この問題でも「最低でも県外移設」としてきた公約の裏切りを開き直りました。





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