2010年7月3日(土)「しんぶん赤旗」

消費増税 党首が「税率10%」明言しているのに…

民主候補バラバラ

「反対」ポーズや沈黙


 菅直人首相が「税率10%」を明言した消費税増税問題について、民主党の参院選候補者らの態度がまちまちになっています。「増税反対ポーズ」をとったり「沈黙」したり。有権者の批判を前に、正面から「増税」を掲げられなくなっています。

 商店街に面した神奈川県内のJR駅前。6月29日、民主党の現職男性候補(選挙区)が声を張り上げました。

 「皆さん、消費税が上がりそうだとか思ってませんか。安心してください。民主党は決して、無理やり消費税を上げるようなことはいたしません」

 この候補は、首相は税制についての議論を呼びかけただけだと説明。不況下の現時点で消費税率を上げれば「経済がむちゃくちゃになってしまうかもしれない。だから景気回復が大前提」と踏み込みました。

 一方、千葉選挙区の女性新顔候補は、1日午後に松戸市内で開いた街頭演説会で、消費税には触れずじまい。枝野幸男幹事長や比例候補らもマイクを握りましたが、誰も消費税に言及しませんでした。

 埼玉選挙区の男性新顔候補も同日の街頭演説(越谷市)で、消費税に触れないまま。代わりに玄葉光一郎政調会長が「税の抜本改革の議論をする」との表現で言及しました。

 メディアの取材に、民主党の複数の候補が食い違う回答をしているケースもあります。

 京都選挙区の候補者に京都新聞が行ったアンケート。「社会保障の財源のために将来の消費税増税は不可避だ」との項目に、男性現職候補は「○」と回答し、女性新顔候補は「×」と答えました(同紙6月29日付)。

 この女性候補は街頭で、「消費税増税の前にまずはムダ削減」と書いたのぼりを掲げました。

 民主党が公約を修正したわけではありません。菅首相は選挙中も「早期に消費税も含めた税制の議論を始める」と繰り返し発言しています。

 他方で「10%」発言への批判を意識してか、首相は低所得世帯への「全額還付」に突如、言及。日本共産党の志位和夫委員長は「国民の怒りを恐れて動揺が始まっている」(1日)と指摘しています。





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