2010年7月1日(木)「しんぶん赤旗」

各党は八ツ場ダムどうする NGOアンケート

自民推進 民主「中止」言わず

みんなの党 ムダ一掃いいながら「推進」


 建設中止をめぐって参院選の争点となっている群馬県の八ツ場(やんば)ダム計画を各政党はどう考えているのか―。NGOが行ったアンケートで、みんなの党と自民党が、同ダム建設を続行すべきと回答していることがわかりました。


写真

(写真)八ツ場ダムの関連工事が行われている吾妻川=群馬県長野原町

 発表したのは、同ダムの建設中止と地域の再生を目的とするNGO「八ツ場あしたの会」です。アンケートは、日本共産党、民主党、自民党、公明党、社民党、国民新党、みんなの党から回答を得ました。

 ダム本体工事が凍結中となっている同ダム事業について、みんなの党と自民は「関連事業を継続し、本体工事を着工」と回答。

 昨年、「建設中止」を表明した民主党ですが、アンケートの具体的な設問に回答しませんでした。民主党の態度について、あしたの会は「このままでは地元の人々の行政不信、政治不信を払しょくすることはできません」と苦言を呈しています。

 共産党、社民、国民新は「本体工事を中止し、関連事業を真の地域再建事業に組み替えるべき」と回答しました。

 みんなの党は、マニフェストに「ムダ遣い一掃」を掲げながら、無駄な公共事業の典型とされる八ツ場ダム建設の推進を表明しています。

 各都県の「八ツ場ダムをストップさせる会」が選挙区候補に行ったアンケートでも、同党のあやふやな態度が浮かんできます。埼玉県選挙区の公認候補は中止に賛成しています。茨城県の候補者は「わからない」と回答。東京選挙区の松田公太候補は、アンケートに回答していません。

 同ダムの予定地である群馬県でみてみると、みんなの党の上野宏史参院比例候補は、自民党公認で同ダムの建設を強硬に求めてきた八ツ場ダム推進派の大沢正明県知事の支援を受けています。「比例はみんなの党、選挙区は自民党候補」を押し出す動きもあります。

 上野氏は、義父の元建設省OBの上野公成自民党元参院議員の支持基盤を受け継いでいます。


 八ツ場ダム 群馬県長野原町に国土交通省が建設を進め、利水と治水を目的としています。しかし首都圏の水余りと低い治水効果が指摘されており、必要性が疑問視されています。完成予定が2015年、総事業費4600億円とされていますが、大幅な遅れと増額が必至とされています。





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